【刀剣乱舞】桜と本丸と謎 (ページ1)

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Prologue ページ1

「おばあちゃ～ん、私ちょっと桜まで行ってくるね！」

「まぁ、この時間から？まだ夕方だけど…夜は危ないから早く帰ってくるんだよ」

玄関から大きな声で家にいるおばあちゃんに向けて声をかけると、帰ってきたのはその言葉だった。その言葉に軽く返事をして、手に持っている缶をしっかりと抱きしめる。そして、家の庭に咲いている大きな桜の下へ駆け出した。

前々からタイムカプセルというものに興味があって、入れる物や書くことは決めていたがそれを埋める場所を考えていた。その事をおばあちゃんに話すとうちの庭に埋めても良いと、快く言ってくれたので私は大好きな庭の桜の木の下に埋めようと思ったのだ。

家から少し離れた場所に咲いている桜の所へやってきた私は手に持っているスコップで桜の木の根本をザクザクと掘り進めた。タイムカプセルを埋めるのが楽しみで浮かれ気分だった私はそのスコップが何か硬いものに当たりそれ以上掘り進められないことに少し気分が下がった。

石ではない何かに、何だ？と首を傾げた私はふと頭の隅によぎったものがあった。

ー桜の樹の下には屍体が埋まっているー

そんなまさか。骨のように白くはないし、ありえない。少しの恐怖心と大きな好奇心があり、私は手に持っていたスコップで少しずつ、その硬い何かを取るために地面を掘っていった。

数分間掘り続けると硬い何かを取り出せた。細長い何かが土塗れで私の目の前に横たわっていた。やはり、死体ではなかったが何だろうと思いつつ、とりあえず持ってきた缶を地面にしっかりと埋めてから細長い何かを持っておばあちゃんの元へと帰るのだった。

桜の木の下には死体が埋まっていた、のではなく刀が埋まっていた。