人気な副担 ページ16
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鬱々と考えていたら、ガラガラと扉を開けて入ってきたのは副担任
あれ？ 担任の
「何で、白濱先生だけ〜？」
あたしと同じ疑問を持ったクラスメートの女子が、猫なで声で問いかける
副担任の白濱先生は、4月にうちの学校に来たばかりなのに、既に女子に人気
男性の先生は、今まで中高年のオジサンか、もやしみたいな冴えない人しか居なかった
そこへ突如現れた、パッチリした目が印象的な、なかなかのイケメン
女子がほっとくわけない
白濱「実は、円丸先生が急なご病気で、2ヶ月ほど入院することになりました」
「ええー!?」
白濱先生の発言に、教室内が騒然となる
白濱「それで、急遽、一学期のみ私が担任を代行します。なにぶん、私も此方の学校に着任したばかりなので、皆さん、宜しく」
そう言って、白濱先生はにこやかに微笑んだ
女子高生からは「ラッキー！」なんて、不謹慎な言葉が聞こえたけれど
ざわついていた教室はとりあえず落ち着きを取り戻した
″ ふーん...円ちゃん、何の病気なんだろ？ ″
あたしは左手で頬杖ついて、右手でピンと手紙を弾く
白濱「じゃあ、出席取るぞ〜」
白濱先生が名前を読み上げる中、
″ あれ？ ″
手紙を戻そうと、ふと鞄を見ると、付けていたキーホルダーがない
″ 嘘!? あれ、涼太から貰った奴だったのに!! ″
鞄を机に載せて、ガサゴソ探してみるけど、見当たらない
白濱「...橋！ ...倉橋！」
「は、はい!!」
何度か名前を呼ばれていたのに、探すのに夢中で、気づくのに遅れたみたい
白濱「どうした？ 倉橋」
「いえ！ 別に、大丈夫です」
あたしは、ブンブン頭を振って、白濱先生に答えた
麻里は、慌てるあたしを見て、声を出さずに笑っている
白濱「そうか...じゃあ、次！ 富田！」
「はーい！」
白濱先生が出欠確認を続けてゆく中、あたしはがっくり肩を落とした
″ あ〜あぁ！ ...さいっ悪!! ″
一昨日、定期をなくして、ちょっと凹んだのに、今日なくしたのは
涼太が旅先で買ってくれたご当地のレアなキャラ物キーホルダー
″ バカ！ バカ！ バカ！ ″
こんなモノに気を取られていたからだ！
どうせ、誰が出したのかわかるわけないんだから、無視！無視！
またも手紙に八つ当たり
忌々しい思いで、手紙を鞄の中へ突っ込んだ
そう...この時は微塵も考えてなかった
この手紙の存在に、これから大きく惑わされてゆくなんて
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作者名：みンみン | 作成日時：2018年8月15日 9時
