三話 仲違い ページ12
ツムとのんは仲違いしている。
のんが、東京に行ってからツムは人が変わったかのようにバレーに打ち込み始めた。
まるで、失ったものを別の物で埋めるように。
その時期から、ツムは故障という言葉に敏感になっていた。
多分、のんの事を連想してしまうからだと思う。
それと、関連が有るかどうかは分からないが
ツムからの相談がピタリと止んだ。
それからは、今迄なかったのんから侑に対しての相談が増えた。
そんな、ツムはのんが東京に行ってから
今迄は三段ベッドの一番上で寝てたのに今では一番下で寝てる。
のんの残り香も無いのに。
別れたカップルみたいでちょっと笑えてくる。
ツムは稲荷崎高校に入学した頃も何処か上の空だった。まだ、ツムは心に穴が空いた状態なのだろう。
そんな、失ったものは、ツムが知らないところで又、バレーボールと向き合っている。
その事実を知っている俺は、のんに口止めされている。
直接、自分でツムに言いたいそうだ。
ツムの態度もみるみる変わっていき
のんに対して皮肉じみた言い回しをするようになった。
これに関しては、のんも悪いと思うが
10分の8はツムが悪いと俺は思う。
二人を心配している俺だが
のんよりも、ツムよりも大切な人がいる。
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作者名:宮橋くれなゐ | 作成日時:2020年4月17日 6時