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花火を見た埠頭に腰掛けて海を眺める。
終わりの見えない地平線を眺めて、
落ち着くはずのない気持ちを必死に抑え込む。
分からない。
何が原因なのか。
── 分かりたくもないけど。
苦しい、苦しすぎるよ。
泣かないように堪えることで、
精一杯自分を保った。
手をついた地面の石を掴んで
海に投げ入れる。
ねえ、夏向、迎えに来てよ。
さっきのは嘘だって。
側にいるって言ってよ。
.
その時、タイミングよく
ブルルとエンジン音がして、振り返る。
千秋だ。
バイクから降りて真っ直ぐこちらに
向かう千秋と目が合う。
千「こんなところでどうしたの？」
『千秋こそ、どうしたの？』
無理に明るい声を出そうとして、声が上ずる。
千「どうした？最近元気ないよな。」
『んー、なんか脱力っていうか、』
千「夏向だろ？」
『………』
千「喧嘩でもした？」
喧嘩だったら良かった。
溢れる涙を、拭うことも止めることも出来ずに、
ただ一点を見つめる。
ずっと、我慢してたのに。
千「A…？」
『夏向に、フラれた。』
千「………え？」
『やりたいことがあるんだって。
私が邪魔みたい。
ねえ、私なんかしたかな？
嫌いになっちゃっ───』
言い終わる前に人の温かさに包まれた。
あれ、私千秋に抱き締められてる？
.
そう思った時には、
その温かさに、身を任せていた。
『私、やだよ。別れたくない。やだ。』
千秋の服を握りしめて、声を上げて泣いた。
黙って頭を撫でてくれる大きな手が震えている。
─千秋、そんな悲しい顔しないでよ。
『千秋……』
千「ん？」
『ごめんね。』
千「いいんだよ、いつでも甘えて。
帰ろう？家に。」
夏向とずっと一緒にいたいよ。
みんなと、ずっとずっと
あの家で笑ってたいよ。
千「ほら、おいで。」
ヘルメットを被せてくれる千秋に促されて、
バイクに跨る。
その優しさが温かい背中から伝わってきて、
また、声を殺して泣いた。
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Moa(プロフ) - すごいよかったです!!!!最後泣いちゃいました...。その後、夏向との続きも気になってしまいます!!!!続き書けたらお願いします!!!! (2017年9月5日 22時) (
レス) id: aaa91463d8 (このIDを非表示/違反報告)
★ルミネ★10月ver(プロフ) - Maikaさん» 完結おめでとうございます！！長い間お疲れさまでしたm(__)mでも番外編めっちゃ楽しみにしてます(*^^*) (2016年10月15日 22時) (レス) id: ba2a671ee4 (このIDを非表示/違反報告)
Maika(プロフ) - アヤノさん» ありがとうございます！嬉しいお言葉(;_;)また頑張っていきますので、よろしくお願いしますっ (2016年10月12日 23時) (レス) id: e56d0c0709 (このIDを非表示/違反報告)
Maika(プロフ) - Aliceさん» ありがとうございます！本当に心の支えです(;_;)待っててくださいねっ！ (2016年10月12日 23時) (レス) id: e56d0c0709 (このIDを非表示/違反報告)
アヤノ - 完結おめでとうございます。ずっとニヤニヤしてました！笑 番外編楽しみにしてます！！！ (2016年10月12日 6時) (レス) id: a047ba4189 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Maika | 作成日時：2016年10月5日 19時
