三廻目 ページ4
あの後、高専に戻るとまあみんなビックリしていた。
無理もない。予定よりも数日早く優太が帰ってきたのだから。
優太が居ない間に新しく入ってきた1年生の虎杖くんと野薔薇ちゃんの紹介もした。野薔薇ちゃんは威嚇もしてたけど、何とか仲良くなれそう。
そんな夜、共有スペースで2年男子トリオは和気あいあいと話し込んでいた。
「なぁ優太ぁ〜、海外美女に声掛けられたりしなかったのかよ〜」
「しゃけしゃけ」
つんつん、と肘で優太を小突くにやけ顔のパンダくんと狗巻くん。
「あはは、あるわけないよそんなこと」
なんて笑ってる優太だけど、実は私もちょっと不安だったりした。優太は強いしカッコイイし可愛いし最強だもん。
「なあ、せっかくアイツ帰ってきたのにバカ2人に取られっぱなしでいいのかよ」
「せっかくだからだよ。優太、みんなのこと大好きだもん」
楽しそうに笑っている優太をちょっと離れたところで真希ちゃんと眺める。
「ふうん」と興味無さそうな返事をして優太が買ってきてくれたお土産を食べる真希ちゃん。チョコチップクッキーかな?
「おーい優太、お前ンとこの彼女が寂しがってんぞ。早く構ってやれよ」
「真希ちゃん?!?!なんてこと言うの!!!」
急いで口を塞ごうとするが時すでに遅し。
最後の一口を食べ終わった真希ちゃんは「ごちそーさん」なんて言って女子寮に戻って行ってしまった。
続いて私も追いかけようとするけどもちろん上手くいくはずもなくぼふっと優太に後ろから抱き締められた。
外野ではパンダくんと狗巻くんが茶化している。
「ごめんね、寂しくさせちゃってたね」
「ぜんっっっぜんそんな事ないので大丈夫です」
「せっかく戻ってきたんだからもっとみんなと話しなよ」なんて言うと「オレらはもう寝るわ〜、あとは2人で楽しめよ」なんて言って部屋に戻っていってしまったパンダくん達。
「ねえ、僕全然Aちゃんと話せてないよね。話し足りないから僕の部屋行こう?」
ちゅ、と軽いリップ音と共に首元にキスを落とされぶわっと体が熱くなった。
「…話すだけ、ね」
「あはは、聞こえない聞こえない」
「こら!!!!!」
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ああ - えり。さん» 確かに!!そうですね (10月25日 10時) (レス) @page12 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
えり。 - 最近読み始めたのですが、とっても面白いです!細かくて申し訳ないのですが、優太ではなく憂太だと思います!間違ってたらすみません。 (9月24日 2時) (レス) @page3 id: 61ce2f92ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白米 | 作成日時:2023年5月23日 20時