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金木犀 ページ1
金木犀の匂いがする。
あの懐かしい匂いが。顔も声も何もかも覚えていないけれど、あの日、あの時に香る匂いは今も覚えている。
金木犀の匂いがするとその時のことを思い出す。
あの日の約束を。今はもう思い出という形になってしまったけれど。
きっとそれを思い出すのは忘れたくないから。あの日の出来事を夢物語で終わらせたくないから。
ねぇ、貴方はどこにいるの?何をしているの?教えて欲しい。
話がしたい。顔を見たい。声を聞きたい。
たくさんの溢れ出る思いが止められない。
風で運ばれる金木犀の香りが鼻を掠める。貴方の香りはまだ知らない。
嗚呼、金木犀の匂いがする。
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作者名:明里 | 作成日時:2022年10月8日 0時