25(視点切替) ページ25
正直言って驚いた。
さっきまで一緒にいた太宰さんが消えたと思ったら
いきなり探偵社に戻ってきて、
その上榎木さんを連れてきたのだから。
どうして太宰さんが榎木さんといるのだろうか。
もしかして知り合いなのかな。
なんて思ったりもした。でもお互い喋らなくてとても仲がいいという感じには見られなかった。
そこから少し違和感があった。
案内をするように榎木さんを座らせると
まるで問いただすように当たり前かのように対面で太宰さんは座るし、国木田さんや与謝野さんがそれを囲むように周りに来るし。
変だとは思った。
でも真逆、榎木さんが僕達が探していた沖田さんなんて思わなかった。
だから太宰さんが彼の名前を言った時少し、いやかなり驚いた。
それと同時に本当に…？という気持ちがあった。
だって初めて榎木さんに会った時服を汚してしまったけれど弁償もお詫びも気にしなくていいって言ってくれて、少し話したけれど良い人だった。
だから榎木さん、いや沖田さんが肯定した時騙されたんだと思った。
あの時もそうだった。取引先の社長を殺害したのは沖田さんだって聞いて耳を疑った。
信じられなかった。だってあの沖田さんだよ。
残業が嫌いでいつも死にそうな顔をしながらパソコンに向かって、いつも定時に帰ろうとしてた。
わからないところがあったら丁寧に教えてくれたし、
飲み物も奢ってもらったこともあった。
異能力はないし、業務作業の人だったけれどそれでも優しい先輩だった。
だから殺し屋って聞いた時は申し訳ないけれど乱歩さんを疑った。
だから今回も騙されたと思ってしまった。
でも、沖田さんの目を見て気づいた。
殺しをしないと言われた彼の目は酷く濁って何も映していなかった。
騙したんじゃない。あれが本当にの姿なんだ。
「出来ない」
彼は小さくぽつりと呟いた。
「出来ません。あれは俺の全て。生きる意味なんです。それを奪われるなんて死ぬのと同じだ」
どうしてって思った。
「殺しが生きがい、それは何故なんだい？」
淡々と問いかけるのは僕の上司。
「あれしか教えて貰えなかった他の道なんてなかった。殺し屋として生きることが俺の存在証明なんだ。
信念を曲げるだなんてそんなの俺が許さない」
はっきりとした物言い、何があってもどんなことが降りかかろうとも貫くその覚悟が濁った目に浮き出ていた。
思わず何も言えなくなった。
「すみません。俺はこの道しか生きてないんです」
そう言った彼は何故か酷く小さく見えた。
続く (更新停止中)
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明里(プロフ) - すみません諸々の事情で編集、作成ができなくなったのでこれからは支部で投稿させて頂こう思いますお手数おかけします。こちらにリンクを張っておきます。https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19591004 (2023年3月30日 20時) (
レス) id: c34a46938c (このIDを非表示/違反報告)
村人C - いや主人公さんかっこよ (2022年11月3日 8時) (レス) @page21 id: 0a5bb25e11 (このIDを非表示/違反報告)
ルア - 主人公めちゃめちゃ好きです！！こういう系初めて読んだんですけど面白くて好きです！！続き楽しみです更新頑張ってください！！長文失礼しましたぁぁぁぁぁぁぁぁ (2022年8月15日 14時) (レス) @page17 id: 3fd2320c42 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - こういう系の作品の書き方も、作品も大好きです！あと面白いです！細かいかもしれませんが、乱歩さんの年齢は26歳です…… (2022年8月15日 2時) (レス) id: 4e362c00f0 (このIDを非表示/違反報告)
村人C - 主人公さんいいっすね(*≧∀≦*) (2022年6月14日 21時) (レス) @page15 id: 1edd0ac6b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：明里 | 作成日時：2022年4月10日 14時
