Blah / Blah【クロサギ】 (ページ5)

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3 氷柱視点ページ5

　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
お父さんが詐欺に遭ってから
どうしてもあの黒川という男が信じられなくて、来てみたのは警察。

黒川には、警察に言ってもお金は取り返してくれないとは言われたけれど
そんなのやってみなきゃわからないじゃない。

そもそも警察の方が何千倍も信用できるし。

「…え…逮捕は難しいんですか！？」

「…高額な受講料や教材費も本人が納得して契約したものですから……最近多いんですよそういうセミナー系の詐欺が……」

警察に行っても通されたのは相談窓口みたいな所で、あまりちゃんと話を聞いてくれる感じはしない。

「…あ、土井さん」

『？』

土井、そう呼ばれて振り返ったのはどら焼きを咥えながらコピー機と睨み合いをしている女性だった。

「土井さん…？」

「そう、土井A……こっちに相談してみた方がいいかもしれません…、ちょ、コピー機なんていいから早くこっちきて！」

『え、でも、紙詰まってて』

「そんなの私が直すって！」

まだ8割くらい残っていたどら焼きを一口で食べて、もぐもぐ口を動かしながら私の目の前に座る。

『…はひへはひへ、ほひへふ』

「…は、、はあ」

土井さんは口の中にあったどら焼きを全部飲み込むと、

『…………じゃあ、私に何があったか教えてもらえますか？』

と口角を上げた。

　
　
　
　
　
　
　
　
　