21 黒崎視点 ページ24
「…ほんとに来るんだ」
ドアを開けた目の前には、仏頂面で立つAの姿。
無性にAに会いたくなり、街の平和を守る警察官様はどうせ仕事中だろうと電話をかけてみたことが発端である。
予想通り仕事中だったらしく 電話には出なくて無機質な呼び出し音を３回聞いたところで切った。
まあ立場的にも、詐欺師になった弟なんかに頻繁に会いたくないだろうし そもそも前回会った時なんか俺に薬盛られてるんだし
来てくんないだろうけど、なんて思っていたのに
『なにその顔』
「いや、警察官も暇なんですねー」
『ほんとだよね、ノコノコここまで来ちゃってさ。神志名にバレたっていうのに』
「なにがバレたの？」
『高志郎と姉弟なこと』
「その口ぶりからして、血繋がってないのはバレてないんだ？」
『まあ』
「バレちゃったら流石にやばいか、血さえ繋がってないのに詐欺してる弟なんて庇ってちゃ」
『別にバレても良かったけどね』
使用感のないキッチンの上にがさっとスーパーの袋を置く。
カレーのルーにシチューのルーに サバ缶やツナ缶、なんか色々入ってる。俺料理しないのに。
買ってくるのはいいけど、それAが作りに来てくれないと 腐るよ。
『相変わらず趣味の悪い部屋』
「自慢できるね、勉強熱心な弟なんて」
『詐欺に関する勉強が熱心な弟なんて、誰に自慢したらいいのよ』
続く (更新停止中)
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作者名：山田フラミンゴ | 作成日時：2022年11月4日 2時
