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13 黒崎視点 ページ15

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
『ごめんなさい、うちのが』

泣きそうなくらいに懐かしい声なのに、他人行儀な言葉たちが並ぶ。
どうして、とか、なんでとかそんな事言う気にならない。
ずっと触れたくてたまらなかったAが、目の前にいるだけで 他人行儀な言葉なんかどうでもよくなった。



黒崎「……A…ッ」


『やだ、もう。泣くほど殴られたとこ痛いの?』




Aの折れそうなくらい細い指が、俺の目の下をなぞる。
ああ、本当にいる。目の前に。



『はやく消毒しよう?部屋入れて』



穢れなんか一切知らないみたいな顔をして、俺に言う。
もしかしたら、俺はあんたを上手く帰せないかもしれないのに。



『うっわー…全体的に趣味悪…』


「…うるせーな。全部必要なもんなの」


『これで休まるの?あ、猫ちゃんだ』





猫ちゃん〜なんて名前でも何でもないのに、自分が呼ばれたみたいにクロは彼女に擦り寄る。
珍しい、人なんて大嫌いみたいな猫だったくせに。



「クロ。」


『クロ?』


「そいつの名前」


『クロかぁ、似てるね』




クロは抱き上げられてAの膝の上に収まる。
飼い主より先に良い居場所見つけやがって。クロは俺なんか見向きもせず欠伸をする。
誰が飼ってると思ってんだよ、恩知らずめ。



「似てるって誰に?」


『…あなたに』


「…俺の名前忘れちゃった?」


『……高志郎』




さっきのクロみたいに近づいて、もう少しでも動けばキスもできそうなくらいの場所で止まる。



『調子乗るな』


「ッッた、、!?」



さっきの神志名に殴られたとこを、躊躇いなく触ってくるA。
ほんと信じらんない。
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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作者名:山田フラミンゴ | 作成日時:2022年11月4日 2時

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