-- 2 -- ページ46
自分でも理解できない状況に驚くも涙は止まってくれなくて、
勝手に彼の踊る姿を見てしまったことや、
直接ごめんねと言えなかったことなど
10分間の自分の行動が情けなくなって手で顔を覆った。
急に泣き出す俺を中から見ていた智くんは
すぐさまドアを開けて俺の前に立ち、
翔ちゃん？どうした？と強く抱き締めてくれた。
その行動さえも申し訳なくなって
閉め忘れた蛇口みたいに後から後から涙が溢れてくる。
頭を撫でてくれている手と、智くんの動いたばかりの熱い体にますます涙腺が刺激されて、結局落ち着くまでその胸に縋った。
｢もう平気か？｣
｢うん...｣
ずっと抱きしめてくれていた智くんのTシャツは俺の涙で濡れ、そっと濡れた部分に触れれば冷たいのか後ずさる。
｢着替えるから待ってて｣
そう言い俺をスタジオの椅子に座らせてシャツを変える智くんをぼーっと見つめると、軽くちゅっと唇にキスしてくれた。
｢....一緒に帰ろうか｣
涙は止まったものの、頬を伝っていた雫を優しくタオルで拭きながら言う智くんに言葉にならないほどの愛情が一気に流れてきて、思わずその愛しい体に抱きついた。
｢......翔ちゃん？｣
すき。
小さく呟いた声は自分が思うよりも掠れていて、あぁ聞こえなかっただろうなって思ったけど、
｢俺も...翔ちゃん大好き｣
智くんがそう返してくれるから、それだけでまた好きが溢れた。
好きで好きで、仕方なくて。
この人が俺の事見てくれたら、
好きになってくれたらいいのにって
そう思ってた頃が懐かしい。
急に泣き出す俺を見ても焦らないで包んでくれる、口に出したくない涙の理由も聞かずに
｢翔ちゃんになら見られてもいいよ｣って応えてくれる。
そんな智くんに対するこの気持ちを、どうあなたに伝えよう。
ありがとうでも、大好きでもないこの気持ちを。
｢翔ちゃん....愛してる...｣
うん、俺も...
｢智くん愛してるよ...｣
まずはあなたに、そっとキスをしようか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 186人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：haruru | 作成日時：2017年9月19日 16時
