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きっと翔くんのことだから、
素直にはなれないんだろうなって思う。
あれからご飯食わせて、すぐ風呂に押し込んだ。
入浴剤入れて、ゆっくり入って来いって言ったけど、たぶんその言葉も翔くんにとっては荷物になっちゃうんだろうな。
甘え方を知らない。
人の優しさを、自分でも気づかないうちに刃に変えてしまう。
そんな翔くんに罪はない。
ひねくれてるとか、そういったことでもない。
優しいんだよ。単純に。
誰よりも、翔くんは優しい。
だからこそ、自分を心配する声を受け止めきれない。
むしろ逆に、心配かけてごめんねって翔くんは謝る。
｢そっちの方が心配になるっていうのに...｣
謝って欲しいんじゃない。
お礼が貰いたい訳でもない。
甘えてほしいんだよ。俺は。
｢......せっかく家に来て待ってたのになぁ｣
むしろ、もっと追い込んだかも。
分かってほしいな。
少しでいいから、甘えてほしいよ...翔くん。
｢...あがりました｣
｢おぉ、温まったか？｣
｢...うん｣
あぁ...そんな顔するなよ。
だめだ、俺が落ち込んでどうする。
守ってやんなきゃ。
俺の優しさがたとえ翔くんを傷つけたとしても、
教えてやんなきゃ。
そうじゃないと、いつか壊れちまう。
｢.....翔くん、こっちおいで｣
まずは俺のそばに...
手を引いて、抱き寄せて...
優しさがダメだと言うなら、代わりに大きな愛をあげるから。
｢傷ついた翔くんも、苦しんでる翔くんも、全部見せて...｣
この手で、この体で、お前の全てを守るから。
｢翔くん、俺をみて｣
逸らさずに、目の前にいる俺の姿をちゃんとみて。
ほら、平気でしょ？
｢大丈夫なんて言わない。頑張れなんてもっと言わない。心配されるの苦手みたいだから、俺もこれ以上は何も言わない。でも...｣
でも、これだけは、どうか拒まないで。
｢お前のこと1番愛してるのは俺だって。それだけは絶対に忘れんな｣
そうだ、不安になったから、心配になったから会いに来たんじゃない。
｢お前のこと好きだから、だから今日は会いに来た｣
はじめから、こう言えばよかった。
そうすれば、今俺の腕の中で泣いてる翔くんを
もっと早く見れたかな。
｢...すきだよ｣
ずっとずっと。
笑ったお前も、泣いてるお前も、
人に優しくて、その分もろいお前も。
｢全部全部、大好きだ｣
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作者名：haruru | 作成日時：2017年9月19日 16時
