ハート乱用する系上司に日々苛ついています【文スト】

ハートが25個 ページ45

無事に全員目が覚めた所で成人男性に化けた。
私が私だとバレることは無いとは思うが念の為、という奴だ。石橋は叩かないとどこか不安が残るしね、うん。

『あー、今から夢の国に行きます』

夢の国、と言うパワーワードに大抵の子供は喜ぶ。まあ、この子達も例外ではないんだけど。寧ろこの子達くらいの年齢に絶大な効果を発揮する。なんと言ったって夢の国の鼠は魅力的なのだ。露西亜の不気味な鼠とは正反対で。

「織田作は？」

年長の少年が後部座席から質問を飛ばしてくる。それに咲楽ちゃんが答えている。

『…ああ、織田さんにはもう許可を頂いてますからね』

この駐車が難しいのだ。車を後退させながら駐車するのだが…。ああ、ぶつけそう…。

「下手」

「織田作は上手だよ」

「森見さんって何歳なの？」

口々に言わないで欲しい。私は聖徳太子では無いし、何より子供に対する耐性が無いに等しいんだよ。駐車が下手なのは自覚があるけど、織田さんと比較されるのは…大分、分が悪いだろう。織田さんは何処をどう動かせば擦るのか異能で分かるだろうが、私は分からないんだよ。

『私は20歳ですよ』

結果、最初2つは無視して最後の1つだけに返答した。まあ、其れで良いのか。

ーーー
夢の国…行きたいなぁ。
あ、シーじゃない方の夢の国ですよ。

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あずきいろ

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