ハート乱用する系上司に日々苛ついています【文スト】

ハートが8個 ページ11

片手をひらひらと揺らして何処かへ走り去った我らが幹部を捕まえ、素早く首輪を付けた。首輪というかなんというか、首縄？いや、首輪か。リードもつけ、現在それを握っている。逃げられたら余計に面倒くさいことになるからねぇ。

『…幹部、包帯の特売なんて部下に行かせてください。ほら、芥川くんとかなら喜んで行ってくれますよ？』

幹部が貧民街で拾ってきた華奢な少年を名指しすると、その件の少年に何故か殺気を向けられた。なんでだよ…Aさん泣くぞ…。お前さんえげつないくらいにこれ好きだろ？嫌なの？あ、もしかして太宰幹部(これ)のリードを握っているのが気に食わないとかそーゆーのなの？渡してあげようか？そのまま君が引きずられていかないならAさんこんなもん何時でも渡して進ぜよう。

「芥川くんは………うん」

え、その間何?!この子そんなに殺戮癖あるの？いや、殺戮癖くらいなら貴方の相棒の中原サンも相当なもんだけど！？と言うか…、え？教育してるんだったら大丈夫じゃないの？

『…幹部、』

またも逃亡を図ろうとしたので、心做し強くリードを掴み、引き止めた。首締まってるとか気にしない気にしない。どうせ死なないし大丈夫でしょ。

「痛い痛いよ！森見くん、首絞まる！！」

『其の儘行けば酸欠で死ねますよ、おめでとうございます 』

あ、今の凄い棒読みだったかな？普段はもうちょい心を反映しない声音なんだけどなぁ。やらかしたかしらん。本当に苦しそうには見えないけど、(芥川くんが怖いので)少しだけ力を緩める。緩めたとて離さないから藻掻いても無駄だからね。

「どうせ死ぬなら、森見くんに直接首を絞められたいねぇ…」

え、そんなに言うならやってやろうか？今ならもれなく一思いにやってやるよ。うん、苦しいのは一時だけだからね！でも、触れたくないなぁ…。化けたの戻っちゃうし。
ーーー
なんか森見ちゃんが疲れてますね。
リード常備してるんでしょうか…(笑)

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