情報提供5回目(椿) ページ7
「あ、もしもし」
やっと繋がった。
息遣い的に女性が出た様子。
「…何じゃ」
おっと、あの尾崎さん本人か。
心の中で軽く舌打ちしつつ、名乗る。
「私ですよ、千里眼です」
にしても、不用心じゃあ無いかな…。
もし、僕が声を媒介とする異能者だったらどうするつもりだったのか…。
「お主か、何の用だ?」
相変わらず僕には冷たいよね。
「尾崎さんに朗報です」
自分の出せる最も明るい声音を絞り出す。
本当なら効果音でも付けたいところだ。
「太宰治の居場所が分かりました」
電話の奥ではっと息を呑む気配がした。
太宰くんなら自力でポートマフィアを退けるだろうから…
だから、きっと大丈夫な筈…。
「千里眼、対価に何を求める?」
「お宅で拷問中の竹本卓の身柄を此方にお渡しいただきます」
僕の良く知る男の声が近付いてきた。
「姐さん、電話代わってくれ」
はい、中也くんだね。
本当、太宰くんの事大好きなんだね…
「おい、千里眼。本当にあの木偶は生きてるんだろうな」
ああ、ピンピンしてるよ。
今日も鶴見川で入水でもしてるのでは無いかな
とは、答えない。
「私の情報には対価が必要ですよ」
大きな舌打ちの音が聞こえる。
「その対価が…
微かに聞こえる呻き声の主が彼なのだろう。
ローワンが僕の腕に顔を押し付ける。
いやあ、あれはエグいもの…。
吐き気と憎悪しか催さないね。
「…ええ、そうですよ」
「お得でしょう?」
ーーー
はい、お次はあっすん!宜しくお願いします!
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