第七話 夢想と小説 ページ8
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第七話 夢想と小説
咲良さんがここに来て、二ヶ月が経とうとしていた。
正直、時の流れが早すぎて恐ろしく感じる。
必要最低限の物しか置いていなかったこの部屋も
咲良さんの私物が増えていって、なんだか嬉しかった。
『……あの木ってさ、桜の木？』
松村「そうです。春になると満開になって綺麗なんですよ、桜の花びらもふわーってこっちに飛んできますし。」
『へぇー……いいねぇ、風情があって。』
松村「……今年は、一緒に見れますかね、？」
『……見れるよ、きっと。……一緒に桜見ようね。』
松村「っ、はい。」
その時、パソコンにメールが届いた。
……想像していた、見慣れた文字の羅列だった。
『大学から？』
松村「あっ、いや……。」
『……落選、？』
松村「……っ、」
『なになに、何の話？』
松村「……笑わないですか？」
『……うん。』
松村「……実は、趣味で……小説、書いてて。」
『小説？』
松村「それを、……なんとなく、新人賞に送ってみたりしてるんですけど、……普通に何度も落選してて。……今回もそのメールです。」
『……千晃くん、小説家になりたいの？』
松村「えっ、……いや、そういうわけでは、」
『……嫌じゃなければさ、読ませてよ。千晃くんの書いた小説。』
松村「っ、いやっ、まだそんな……僕の拙い文章なんて見せられないです、……咲良さんに見せるほどのものでは、」
『その咲良さんが見たいって言ってるんだけど、……やっぱこういうのって恥ずかしい？』
松村「……っ、本当に見ます、？」
『……見たい。』
松村「……ちょっと待っててくださいね、プリントします。」
正直、小説を見せるのに躊躇していたわけじゃない。
ただ……小説家を志していると知られるのが嫌だった。
……知った人間は、僕の事を馬鹿にしたから。
でもそれでも咲良さんに見せてもいいと思ったのは
彼女が、人を馬鹿にしない人間だと分かっていたから。
松村「……まだ、誰にも見せてない小説です。……短編なので早めに読めると思います。」
『おぉー、タイトルは？』
松村「それが……まだ未定で。」
『へへ、じゃあ読むね。』
松村「……はい。」
変な緊張感から、背中に汗をかきそうになる。
ぺら、と音を立てて、文字に目を通す。
文章に合わせて、目が上から下に流れていく。
……これを読み終わったら、なんて言われるだろう。
酷い事を言う人じゃないのは分かっているけれど。
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花火2016(プロフ) - のさん» コメントありがとうございます！まいやんとのお話考え中ですのでしばしお待ちください！✨ (3月10日 16時) (
レス) id: d050ed87d3 (このIDを非表示/違反報告)
の(プロフ) - 白石麻衣ちゃん推しとしても今回出番あったのとっても嬉しいです。2人が仲良くなっていくところとかまた見れたらいいな。 (3月9日 21時) (レス) @page8 id: 84741cfeca (このIDを非表示/違反報告)
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