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翌朝、頭の痛さで起きた。
時計を見ると、朝の10時前。
多分泥のように寝てたんだろうな。と思うけれど
隣で寝てる咲良さんは穏やかな顔をしていた。
……それだけで、今日も生きてて良かったと思えた。
感情のままキスしたかったけど、そんな度胸はない。
脳が考える事を放棄すると、すぐに瞼が重くなる。
くっついている面積が、あったかい。
目が閉じる寸前で、部屋のドアがノックされた。
『ん……?』
松村「あっ……いいです、僕いきます、」
『ありがと……。』
なにか頼んだっけ。咲良さんかな?
そんな事を思いながら、玄関のドアを開けた。
そこに居たのは、想像もしていなかった人だった。
松村「……えっ、狩野さん?」
山下「……っ、こんにちは。……すみません、突然。」
松村「あ、いえ……。……どうしました、?」
山下「あの……淡井咲良さん、いらっしゃいますか?」
松村「あっ、いますけど……。……咲良さん、」
『はぁい?ふぁ、あ、……っ、……あれ?……えーっと、』
山下「狩野佑奈です、」
『あ、そう。佑奈ちゃん。……ん?え、私に御用?』
山下「……っ、あの時のお釣り、返しに来ました。」
松村「あの時?」
『前に喫茶店でお茶したの。そっかぁ、なんだ、あれあげたつもりだったんだけど……。わざわざありがとね?』
山下「いえ……。」
僕の知らない所で、この二人が接触してたとは。
もう狩野さんの用は済んだのかと思ったけれど
狩野さんは、何かを考え込んでいる様子だった。
『んん、肌寒い……。……部屋戻るね、?』
山下「っ、淡井咲良さん……っ、」
『……はい、』
山下「……っ、私、檜山千晃さんにお話したい事があるんですけど……今から連れて行っても良いでしょうか……っ、」
松村「……、えっ?」
山下「っ、駄目ですか、」
『あー……。……うん。いいよ、行っておいで?』
松村「……っ、」
山下「……ありがとうございます。」
松村「……咲良さん、」
『んねぇ、三月とはいえまだ寒いんだよ?女の子待たせちゃ駄目じゃーん。早く行っておいで。』
とん、と背中を押した咲良さんは
「あーさむさむ、」と言いながら部屋に戻って行った。
こんな状況になったら、僕でも流石に気付く。
今から、何が行われようとしているのか。
……だけど僕は、足が動かなかった。
松村「……数分だけ待ってもらう事できますか。」
山下「……っ、はい。」
松村「ありがとうございます。」
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花火2016(プロフ) - のさん» コメントありがとうございます!まいやんとのお話考え中ですのでしばしお待ちください!✨ (3月10日 16時) (レス) id: d050ed87d3 (このIDを非表示/違反報告)
の(プロフ) - 白石麻衣ちゃん推しとしても今回出番あったのとっても嬉しいです。2人が仲良くなっていくところとかまた見れたらいいな。 (3月9日 21時) (レス) @page8 id: 84741cfeca (このIDを非表示/違反報告)
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