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松村「……っ、万年筆、いつかは欲しかったんです。」

『ほんとに!?やったぁーっ!!大成功ーっ!!』


本当に嬉しくて涙が出そうだった。

だけど、好きな人の前で泣くのは格好悪い気がして

ぐっと涙を堪えた。


『それとね、』

松村「えっ、まだあるんですか?」

『てってれーっ!!シャンパン買ってきちゃいました!!……あっ、これは千晃くんへのお祝いの気持ちもあるけど、私が飲みたかったのもある……。』

松村「っ、ふふ、正直ですね。」

『えへへ、せっかくだし飲んじゃう?金曜日だし。』

松村「はい。いただきます。」

『よーし、じゃあ開けまーす!!』

松村「気をつけてくださいね、」

『んんー……っ、わぁっ!?』

松村「わっ、……あっ、こぼれちゃう、」

『あっ、やばやばやばっ、あはは、ぽーんってなったぁ、ごめーんっ、』

松村「全然大丈夫です、っ、ははっ、」

『あはははっ……コップ持ってくるねぇ、』


シャンパンの栓が天井に届いただけで、笑えてくる。

慣れない炭酸が喉を通って、ぱちぱちと痛かった。

このまま、この時間が一生続いていけばいいのに。

そんな浮遊感のある思いが、僕の脳裏に残る。



松村「んー……っ、」

『千晃くん風邪ひくよー、そろそろベッド行こー?』

松村「……っ、なんで酔ってないんすか……?」

『お酒強いんだもん。ほら、こっちこっち。』

松村「っ、」

『おぉっ、……ふらふらじゃん、気をつけて、?』


咲良さんを、押し倒す形になってしまっていた。

だけどここでどうこう、みたいな、そういうのはなくて。

ただ


松村「寝る前に、抱き締めてもいいれすか……?」


『……いいよー?ほら、このままだと私押し潰されちゃうからこっち寝っ転がって?はい、ぎゅーーっ、』

松村「……今日は、ありがとうございました……。」

『どういたしまして。』

松村「幸せすぎて、どうにかなっちゃいます……。」

『良かった。』

松村「ほんと幸せです……。命日は今日がいいな、って思うくらい……僕は、世界一幸せな人間です……。」

『喜んでもらえて嬉しいよ。……私が生きてる限りは死んでほしくないけど。』

松村「そうですね、……まだ死にたくない、です……っ、」


背中に当てられた手が、震えている気がした。

僕よりも遥かに小さい、女性の手。

あったかくて、幸せで、このまま離したくなくて。

咲良さん、大好きです。愛してます。

もし走馬灯を見るなら、あなたの事が見たいです。

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花火2016(プロフ) - のさん» コメントありがとうございます!まいやんとのお話考え中ですのでしばしお待ちください!✨ (3月10日 16時) (レス) id: d050ed87d3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 白石麻衣ちゃん推しとしても今回出番あったのとっても嬉しいです。2人が仲良くなっていくところとかまた見れたらいいな。 (3月9日 21時) (レス) @page8 id: 84741cfeca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花火2016 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2024年3月9日 9時

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