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青木「本に興味のない若者に買ってもらって、そこからじわじわ熱がつけば、火事みたいにすぐ燃え広がるんだからさ、そういう事にまで考えて書いてもらわないと、こっちも売り出しにくいんだよね。

阿良良木先生だって、こっち側が売り出しやすいような作品を書いてくれてるんだよ。たしかに書きたい物を書いてる時もあるけど、実際、書きたい物を書いた「黒い繭」は全然売れていない。……これが現実なんだよ。」

松村「……。」

青木「……って事で……もういいかな?そういう作品書いてくれればこっちも対応できるから。じゃ、おつかれ。」

松村「っ、……ありがとうございました。」


打ちのめされた。

完膚なきまでに叩き潰され、唾を吐かれた気分だった。

小説家というものは、書きたい物を書いたら駄目らしい。

時代の流れを見て、売れる物を書かなきゃいけないらしい。

甘えかもしれないけれど、そんな事したくなかった。

だけど、……だから、小説家になれない気がしてきて。

……泣きたい気持ちをぐっと堪えて、帰路についた。





山田「はぁーっ、おつかれー。」

『おつかれさま〜。』

山田「なに読んでんの?」

『小説。……面白いんだよ、これ。』

山田「てか……お前、本苦手じゃなかった?漫画でも活字読むの結構つらいって言ってたじゃん。」

『だったんだけどねぇ……人って変わるもんだね。今じゃ、これを書いた先生の作品が読みたくて読みたくて仕方ない。』

山田「へぇ、そんな面白いの?俺にも読ませてよ。」

『駄目だよ。』

山田「なんでだよ。」

『これ書いた先生と、勝手に見せないって約束したの。だからやまちゃんがこれを読む時は、ちゃーんと本屋さんに並んだ時だから。』

山田「ふーん……。じゃ、夜道気をつけろよ。」

『はーい、じゃあね〜。』





松村「………。」


食事を作る気にも、食べる気にもならなかった。

咲良さんが帰ってくるから作っておきたいけれど

今の精神状態で作れるほど、僕は強い人間じゃない。


『ただいまぁ、……あ、まだ起きてた。』

松村「……あ、おかえりなさい、」

『あれ、着替えてる……。どっか行ってたの?』

松村「……、ちょっと散歩に、」

『えぇー、いいなぁ。バイトじゃなければ一緒に行ってたんだけどなぁー……。』

松村「……。」

『……どうしたの。……なんかあった?』

松村「……ちょっと、変な事聞いてもいいですか。」

『なになに、いいよ?なんでも聞いて?』

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花火2016(プロフ) - のさん» コメントありがとうございます!まいやんとのお話考え中ですのでしばしお待ちください!✨ (3月10日 16時) (レス) id: d050ed87d3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 白石麻衣ちゃん推しとしても今回出番あったのとっても嬉しいです。2人が仲良くなっていくところとかまた見れたらいいな。 (3月9日 21時) (レス) @page8 id: 84741cfeca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花火2016 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2024年3月9日 9時

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