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二人で仲良くすっ転びながら雪山を滑っていると、流石に寒くなってしまい、休憩所に入った。
ココアを飲んでる俺の目の前には、休憩所にある焚き火でマシュマロを焼いているAちゃん。
味覚で甘いのも感じるし、視覚からも甘いのを感じるなんて不思議だなと思いながらAちゃんを見る。
『焼き加減どう?』
田中「おぉ、めっちゃいいじゃん。」
『いただきまーす……っ、ん、おいし。』
田中「なんかマシュマロでっかく感じるわ。」
『なんで?』
田中「顔ちっちゃいから。」
『……どっちが顔でしょうか。』
田中「こっち。」
『ボケてよ。』
田中「Aちゃんのお顔の造形の美しさとマシュマロを比べたらマシュマロが可哀想じゃん。」
『食べる?』
田中「いる。」
Aちゃんが焼いたマシュマロは中までとろとろで、あつあつで、なんだか幸せの味がした。
ただの焼きマシュマロなのに、なんでこんなに美味しいんだと思うけど、多分Aちゃんが焼いたから。
雪を見ながらココアを飲んでるAちゃんは、表情だけで美味しいって思ってんだろうなと分かる。
普段はポーカーフェイスで女優業頑張ってるのに、オフだと分かりやすい所も可愛いんだよな。
……ずっとこのままがいいな。
『……ん?……もうココアなくなった?』
田中「あぁ……新しいの買ってくるわ。食べたいのあったら買ってくるけど、なんか要る?」
『……、カレー食べたいかも、』
田中「え、マシュマロ食った後にカレー食うの?」
『だって皆食べてるの美味しそうだったから。樹くんも食べるなら半分こしようよ。』
田中「ん。じゃあ半分こね。」
『食うんかい。』
行ってらっしゃい。の言葉と共におててを振り振りするAちゃんが可愛くて、手を振り返す。
レジに並びながらAちゃんがいる外を見るけれど、本当にあそこだけ世界が違う気がして。
それこそ、ヒロインという言葉が似合う人。
焼きマシュマロを頬張っているAちゃんが愛おしくて、列が進んでいるのに気付かなくて。
急いでカレーをひとつ頼んだ。
スパイシーな香りが鼻腔をくすぐって、食欲が増してきて、焦ってもうひとつカレーを頼む。
『おかえり。……あれ?二つにしたの?』
田中「なんか匂い嗅いだら食欲増してきて。」
『……めっちゃ美味しそう。』
田中「かわいいな。」
『……カレーが?』
田中「Aちゃんが。」
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花火2016(プロフ) - ぴさん» ありがとうございます!波多野ちゃんも喜んでおります!笑 皆さんのおかげで素敵な一年になりそうです笑 (2月9日 23時) (レス) id: d050ed87d3 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 更新ありがとうございます!そしてはたのちゃんお誕生日おめでとう!25歳!はたのちゃん、花火2016さまも素敵な一年になりますように (2月9日 15時) (レス) id: 6f5cf267a1 (このIDを非表示/違反報告)
花火2016(プロフ) - ぬょさん» コメントありがとうございます!もうここまで来たら一旦倦怠期迎えたこと書いちゃえ!!って思って書きました笑笑 はたちゃんの「は」は私の「は」です!!(違う) (2月2日 15時) (レス) @page17 id: d050ed87d3 (このIDを非表示/違反報告)
ぬょ(プロフ) - 花火さんの報告(?)の次のお話がじゅりはたの倦怠期なのあまりにも素直すぎて花火さんが愛おしいです笑はたちゃんの「は」は花火さんの「は」だったんですね(?) (2月2日 15時) (レス) @page18 id: 81b3a9c5f9 (このIDを非表示/違反報告)
エム(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています。私は他の方との恋愛模様も見たいなぁと思っています。花火さんが楽しく創作活動できる方を選んでください! (2月2日 2時) (レス) @page16 id: f8c2db3e69 (このIDを非表示/違反報告)
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