関係者席 ページ20
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田中「お願い!!明日の夜絶対来て!!Aちゃんにドーム見届けてもらいたいんだよ!!お願い!!マジで!!お願いします!!」
樹くんの熱意に押され、つい来てしまった。
だけど今回は状況が状況なので、ファンの方に見つかる訳にもいかないし……というか、そもそもファンの方に見つかるのがアウトなんだけれど。
とにかく、今回は前々回のライブ「Feel da City」とは打って変わって、細心の注意を払いながら関係者席にいかなければならない。
そもそも、どうして樹くんにあんなに懇願されたのか。
それは今夜のライブの、二日前に遡る。
田中「Aちゃん、明後日のライブ来るっしょ?関係者席、しかもかなり見やすい席押さえといたからさ、楽しみにしててね。」
『あー……いや、ごめん。……今回は、やめとこっかな……って。』
田中「へ…………、っ、?」
樹くんが唖然とした顔でスプラトゥーンでイカを操作していたコントローラーを落とした瞬間、画面の中の青のイカは、オレンジのイカにやられた。
『じゅ、樹くん、コントローラー。』
田中「な、なんで?……ねぇ、なんで来ないの、?」
『樹くんってば、ちょっと、仲間やられちゃってるから。』
田中「えっ、ねえ、っ、……あっ、か、関係者席なの、嫌?……な、なんかもっと……っ、分かんねえけど、特等席的なところの方が良かった?」
『違うよ?ちが、っ……あっ、ちょ、ねえっ、めっちゃ煽られてるよ、?ねえ、オレンジ色のイカにめっちゃ煽られてるよ?ねえ、ってば、』
田中「……っ、おねがい、」
『えっ?』
そして、冒頭に至る。
私が来たくなかったのは、「関係者席」という言葉が嫌だったわけでもないし、もちろんSixTONESのファンを辞めた訳でも無い。
ただ……今回は、……五人に、合わせる顔がないのだ。
あの一件以来、皆とは会っていない。……というか、会うタイミングがなくてそのままズルズルいってしまった事により、会いにくくなってしまった。
空港でのあの出来事はとっても嬉しかったし、あの状況であんな大胆な事ができる皆が大好きだけど、皆の本心が私には分からなくて。
本当は私の事を恨んでるんじゃないか。顔も見たくないんじゃないか。
……そんなネガティヴな考えばかりが頭を巡り、思わずため息をつきながら、会場の裏口から入り、関係者席の中の樹くんが指定した席に座った。
前列か……。と、思っていると、突然、後ろから話し声が聞こえてきた。
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花火2016(プロフ) - ぴさん» コメントありがとうございます!ジャニヲタからするとほんと複雑ですよねぇ…。私と同じジャニヲタさんのモヤモヤを解消する為に書いたので、喜んでいただけて嬉しいです☺️ (9月27日 16時) (レス) @page49 id: 5bc3e1fe69 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 更新ありがとうございます!昨今色々騒がれてて推してる身としては色々疲弊してたのですが今回のお話を読んでちょっと救われました🥲🥲これからも更新楽しみにしております! (9月27日 8時) (レス) id: 6f5cf267a1 (このIDを非表示/違反報告)
花火2016(プロフ) - ぴさん» 読んでくださりありがとうございます!!あれ見ながら「でも夢主ちゃんならいいんだろうな〜」と思ってたのでそれを形にできてこちらも満足です!これからもお願いします! (8月27日 13時) (レス) @page45 id: 5bc3e1fe69 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 更新ありがとうございます!トークィーンズが放送されてからそのお話が読みたかったのでほんと嬉しいです( ; ; )これからも無理なくよろしくお願いします! (8月27日 1時) (レス) id: 6f5cf267a1 (このIDを非表示/違反報告)
花火2016(プロフ) - ぴさん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!めっっちゃ良かったですねぇ…。井手くん、未だに録画見返すくらいには大好きなキャラです…。抱き締めたい…。愛でたい…。 (7月24日 22時) (レス) id: 5bc3e1fe69 (このIDを非表示/違反報告)
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