怪演女優 Fifty Two

最終話 希望あるいは災い ページ3

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眞栄田「……っ、」

「そもそもあなた達が事件の責任を全部娘に押し付けたから！！」

「すみません……っ、本当にすみません……。」

眞栄田「……。」

『……、おはよう。』

眞栄田「……おはようございます。」

『……まだバトってる？』

眞栄田「あぁ……。はい。」

『……はは、怪獣大戦争みたい。』

眞栄田「……止めないんすか？」

『誰かが止めて止まるような喧嘩なら、初めから起こってないよ。』

眞栄田「……それはそうっすね。」

『……あの日、取り乱してごめんね。』

眞栄田「……いえ。」

『まさか……目が覚めた時に自分の右目が駄目になってるだなんて思いたくなくて、かなり取り乱してたけど……もう落ち着いたから大丈夫。』

眞栄田「……回復、できそうすかね。」

『身体の怪我の方はなんとか。視力は分かんない。……このまま視力が戻らないってなったら、実家に帰って引きニートにでもなろっかな。』

眞栄田「……。」

『……岸本にさ、お願いがあるんだよ。』

眞栄田「……なんすか？」


『大門雄二、殺してくんない？』


眞栄田「……えっ、」

『顔はあんまり覚えてないけど、やったのは絶対に大門サイドだよ。……私は亨さんと一緒に連れ去られたんだから間違いない。』

眞栄田「…………。」

『……右目潰して生かしておくのが優しさなの？……馬鹿げてる。……だったら私も一緒に殺してくれれば良かったのに。……わざわざヒント残すみたいな事しやがって。』

眞栄田「……っ、」

『っ、いった、ぁ、……、うわ、血涙。……初めて見た。』

眞栄田「……ごめんなさい。」

『……謝んないでくれない？あんたに謝られると惨めになる。』

眞栄田「だって、僕が……朝比奈さんに話を持ちかけなければ、こんな事にはならなかったんです。……っ、全部、僕の」

『私に、嫌な事思い出させる気？』

眞栄田「……っ、」

『……ぶっちゃけ母親の言う通りだよ。……浅川恵那のスクープ売ったのも、この事件調べ始めたのも、奈緒の入院費の事がきっかけ。金の為にした。……だけどさ、あの日、正しい事をしたって……亨さんが教えてくれたの。』

眞栄田「……。」

『……、あの日、犯人を追って正解だったって、教えてくれたの。……そんな亨さんが死んだのがいちばん許せないんだよ。』

眞栄田「……っ、」

『回復したら、大門のネタ掴むから。……それまで頼んだよ。』

眞栄田「……、はい。」

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