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樋井「ほら、急いで急いで……っ、」
眞栄田「………。」
『……っ、』
樋井「……………。」
眞栄田「お願いします。……っ、どうか、僕たちの話を聞いてください。」
『……お願いします。』
樋井「…………。」
眞栄田「……っ、朝比奈さん、」
『……、これだよね、黒いストール。』
眞栄田「はい。」
『……っ、……ん、?』
永尾「お姉ちゃん遊んでー?」
『えっ、』
永尾「遊んで遊んでっ、」
樋井「こら、お姉さんお仕事で来てるんだから困らせないの。」
『……。』
眞栄田「行ってあげてください、何かあったら呼びますんで。」
『ごめん、……何して遊ぼっか。』
永尾「家族ごっこ!!」
『お、いいね。……っ、お母さんすみません、……お家のお写真とか、お子さんのお写真、撮ってもいいでしょうか。どこかに載せたりはしないので。』
樋井「……どうぞ。」
『ありがとうございます。よし、遊ぼう……。』
永尾「優乃、お母さんやるから、お姉ちゃんは子供ね。」
『おっけー。』
眞栄田「……っ、ふふ、」
『……お、上手に切れたじゃん。』
眞栄田「……朝比奈さん、」
『はいはい。……ごめん、ちょっとお野菜切ってて?』
眞栄田「……っ、これ、撮ります?」
『撮る。……、これが、大事な証拠に繋がればいいんだけど。』
眞栄田「……お母さんすみません、ビニール袋ってありますか?」
樋井「ごめん、優乃。持って行ってあげて。」
永尾「どうぞ。」
『ありがとう。……、持ってくの?』
眞栄田「DNA鑑定に出そうと思います、個人で。」
『そうだね。……警察に渡したら、どうなるか分かんない。』
眞栄田「……。」
樋井「……それで、犯人が見つかるんですか?」
眞栄田「いや……分かんないです。……やれるだけの事はやってみます。」
樋井「……っ、うぅ、っ、……」
『…………。』
樋井「よろしくお願いします……っ、」
眞栄田「……、朝比奈さん、あれ。」
『……あぁ、』
「ゆうか 6さい 2009.1月 109.1cm」
『……っ、』
眞栄田「……。」
『ちゃんと生きてたんだね、中村優花。……柱に書いてある身長とか、ちっちゃい頃の優花ちゃんの絵とか見たら、ちょっとぐっと来ちゃった。』
眞栄田「……、このストールから、何か見つかればいいんですけど。」
『その日、私も一緒に行く。』
眞栄田「そうして貰えると助かります、DNA鑑定なんてした事ないんで。」
『私もないけどね。』
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綾木 麗(プロフ) - 花火2016さん» ごめんなさい、返信めちゃくちゃ長くなってしまいそうなので、ボードの方に送らせていただきます (2022年12月17日 19時) (レス) id: 5a575a9999 (このIDを非表示/違反報告)
花火2016(プロフ) - 綾木 麗さん» コメントありがとうございます!実は鎌倉殿のお話を考え始めた頃からずーーーっと練ってた構成なので、褒めていただけて嬉しいです……。ハコヅメのお話も今日俺のお話も大好きで読ませていただいてます、お褒めいただき光栄でございます……。 (2022年12月12日 4時) (レス) id: 0f7e1e76f5 (このIDを非表示/違反報告)
綾木 麗(プロフ) - えー待って待って八千代生きてたの胸熱過ぎるんですけど……しかも息子役が菅生新樹さんって……花火さま神ですよね???前から存じておりましたけど (2022年12月12日 0時) (レス) @page25 id: 5a575a9999 (このIDを非表示/違反報告)
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