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『……どうぞ。』

眞栄田「……お邪魔します。」

『適当に座っといて。』

眞栄田「はい。」


報道カメラマンとしての地位を築いている、朝比奈さんの家。

正直言うと、もっと豪華な家に住んでいるのかと思っていた。


眞栄田「……。」


風景写真や、人の写真が飾られていたのも、少し意外だった。


『……なに?』

眞栄田「いや……朝比奈さんって普通の写真も撮るんすね。」

『……寿司職人だってパスタ食うでしょ。報道カメラマンだからって事件現場とか芸能人のゴシップしか撮らないわけじゃないよ。』

眞栄田「……たしかに。」

『まぁいいよ、そんな事は。……早く始めよ。』

眞栄田「はい。」


『なるほどね……。年齢詐称してお水とはね。……たしかに被害者四人の中でも、一番顔立ちがハッキリしてて整ってるなとは思ってたけど。』

眞栄田「……マジか。」

『常連客もいっぱい……。馬鹿だねぇ、大の大人が騙されちゃって。』

眞栄田「えー……どっから当たればいいのか……。」

『……とりあえず、私はこの子の周辺を当たってみる。……このバイトしてたお店とか、常連のおじさん見つけたら話聞いてみるとか。』

眞栄田「……僕も、彼女の家族に会ってみようと思います。」

『お願い。……あ、ご飯食べてく?なんか作るよ。』

眞栄田「え、朝比奈さんってご飯作れるんすか?」

『馬鹿にしてんの?』

眞栄田「いや、そういう訳じゃないっすけど……いつもコンビニのパンとか食べてるんで、自炊とかしないのかなーって。」

『弁当作るのが面倒なだけだよ、家にいると普通に自炊もするよ。……そんなに人に食べさせた事ないから、美味しいって確証はないけど。』

眞栄田「へえ……。」

『……あー、どうしよ、……ねえ、パスタでいい?』

眞栄田「あ、はい、」

『嫌いなものは?』

眞栄田「特にないっす、なんでも食べます。」

『そ。……じゃあちょっと待ってて。』

眞栄田「はい。」


朝比奈さんが、キッチンに立っているのを、ただ見ている。

一年前では有り得ないような状況に、驚いている自分がいて。

気の所為かもしれないけれど、その有り得ない光景を見ていると

荒んでいた自分の心が、ほんの少し、落ち着くのを感じた。


『どうぞ。』

眞栄田「いただきます。」

『うん。』

眞栄田「……、うわ、うまいっす。」

『味薄かったら塩とか振って。』

眞栄田「うんま……。」

『なら良かった。』

・→←第七話 さびしい男と忙しい女



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綾木 麗(プロフ) - 花火2016さん» ごめんなさい、返信めちゃくちゃ長くなってしまいそうなので、ボードの方に送らせていただきます (2022年12月17日 19時) (レス) id: 5a575a9999 (このIDを非表示/違反報告)
花火2016(プロフ) - 綾木 麗さん» コメントありがとうございます!実は鎌倉殿のお話を考え始めた頃からずーーーっと練ってた構成なので、褒めていただけて嬉しいです……。ハコヅメのお話も今日俺のお話も大好きで読ませていただいてます、お褒めいただき光栄でございます……。 (2022年12月12日 4時) (レス) id: 0f7e1e76f5 (このIDを非表示/違反報告)
綾木 麗(プロフ) - えー待って待って八千代生きてたの胸熱過ぎるんですけど……しかも息子役が菅生新樹さんって……花火さま神ですよね???前から存じておりましたけど (2022年12月12日 0時) (レス) @page25 id: 5a575a9999 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花火2016 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年11月23日 19時

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