紅葉 ページ43
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田中「ほんっとにごめん……。」
『謝んなくていいよ、気にしてないから。』
田中「でもさぁ?付き合った年のクリスマスイブは仕事だし、例年通り行けば大晦日だって仕事だし……カウントダウン一緒にできないじゃん……。」
『仕方ないよ、お仕事なんでしょ?』
田中「でもさぁ……せめてさ?クリスマスイブは一緒にいたかった……。」
『お仕事終わったら私の家いていいから。……頑張れる?』
ジャニーズの恋人を持つと、こういう事はよくあるらしい。
樹くん……というか、SixTONESはクリスマスイブの正午から24時間にかけてラジオ番組をするらしく、24日は一緒にいれない事をさっき告げられた。
じゃあ25日は会えるかな、と思ったけれど、24時間でラジオをした後に一緒にクリスマスムードではしゃげるかと言われたら絶対に体力が持たないし、忙しい仕事が終わった翌日くらいゆっくり眠ってほしい。
正直に言ってしまうと私も寂しいけれど、私よりも何故か樹くんの方が24日に仕事が入っているのが嫌なようでなんとか頑張って貰えるよう宥めてる。
まぁ、嫌って言っても仕事なので断れないんだけど。
田中「……24日どうすんの?」
『……樹くんお仕事なら、久々にニコちゃん連れて実家帰ろうかな。』
田中「……わかった。」
『なんでちょっと不貞腐れてるの?』
田中「……やっぱ一緒に過ごしたかったなぁって。」
『もー、そろそろ機嫌直して?』
田中「頭では分かってんだけど顔が追いつかない……。」
『ふふ、じゃあクリスマスまでには追いつくようにしてね?』
田中「んー……頑張る……。」
まだまだ顔が追いついてない樹くんは私の肩に顔を埋めてくるもんだから、息がかかって少しだけ擽ったいけれど、それを我慢して頭を撫でる。
頭を撫でられた樹くんは「んー……」と声を出して私の事を抱き締めてくるので、もう本格的にどっちが歳上なのか分からなくなっている。
樹くんの事を優しく抱き締める為に背中に手を回して、あやすようにトントンと優しく叩くと、樹くんは「……Aちゃん?」と私の事を呼んだ。
『……ごめん、痛かった?』
田中「ううん、……わがまま言っていい?」
『どうぞ?』
田中「クリスマス一緒に過ごせない分、いろんなとこ出掛けたい。」
『……いいね。どこ行きたい?』
田中「……紅葉見にドライブとか。どう?」
『あー……行きたい。……いつ行こっか。』
田中「……今から?」
『…………え、今から?』
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