・ ページ32
・
田中「………いただきます、」
『……はい。』
田中「……………、」
『……不味い、よね……初めてちゃんと料理したから……、一応、味見はしたんだけど……ほんとごめん、私が食べ』
田中「美味い。」
『えっ……？』
田中「美味いよ？すっげぇ美味い。」
『……本当？』
田中「うん、美味い。……美味っ、」
『えぇ、そんなに？』
田中「……人の手料理、ちゃんと食べたの久々、だから。」
『……お口に合って良かった、』
田中「……これ、将来毎日食べれる奴、幸せだな。」
『……えっ？』
田中「え？……あ、いや、今のは、」
『……明日も、作ってきていい？』
田中「……え、いいの？」
『……伴野くんがいいなら。』
田中「……お願いします、」
『……はい。』
田中「……これ食った？」
『うん、作る時に味見はしたけど。』
田中「これマジ美味い。俺、一番好き。」
『……だし巻き玉子？』
田中「うん、これ好き。一番あったかい味してる。」
『……ふふ、じゃあ明日も入れようか。』
田中「ありがと。……楽しみにしてる。……美味っ、」
『……そんなに美味しい？』
田中「まじ美味いよ。本当に初めて？」
『初めて。』
田中「天才。」
『そうかな……照れる、』
・
「最近、星蘭様にお料理を教えてるんですよ。お弁当もこれから自分で作りたいって言ってて。」
岩本「へぇ……彼女がそんな事を。」
「でも……何故か二つ作ってるんですよね。」
岩本「二つ？」
「はい、お弁当を二つ……。自分がいつも使っているお弁当箱と別のお弁当箱。最初は霧生様の物かと思ったんですけど、その様子だと、霧生様じゃないんですね。」
岩本「えぇ、僕じゃないです。」
「あぁ、ならお友達の分ですかね？多分お昼になると一緒に食べたりしてるんでしょうね……。」
岩本「………………。」
・
" 伴野くん "
岩本「………………。」
・
岩本「…………、そうかもしれないですね。」
「星蘭様、どんどん料理の腕が上達してるんですよ。このままだと星蘭様が卒業して、そのまま虎児様と……」
岩本「話が早いですよ、牡丹さん。」
「でも、あと一年じゃないですか。楽しみですね……。」
岩本「えぇ。……誰にも邪魔される事なく、このまま"平穏"に一年が経つといいんですけどね。」
「えっ？」
岩本「すみません、冗談です。」
「あぁ、なんだ……。」
岩本「…………………………………。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 206人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もえ(プロフ) - 花火2016さん» いえいえ！これからも密かに楽しませて頂きます^ ^ (2021年7月16日 18時) (
レス) id: 5c6cbb5cac (このIDを非表示/違反報告)
花火2016(プロフ) - もえさん» こんにちは！コメントありがとうございます！恥ずかしながら存じ上げなかったので今調べたのですが、めちゃくちゃ美しい方ですね…！【君の名前で僕を呼んで】も気になるので近い内に観てみますね！教えていただきありがとうございます！！ (2021年7月16日 15時) (レス) id: cdf4b9c055 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - 花火さんこんにちは！ティモシーシャラメさんご存知でしょうか？君の名前で僕を呼んでという映画がとても美しいのでもしご覧になったことが無かったら是非お勧めします！ (2021年7月16日 7時) (レス) id: 5c6cbb5cac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
