第三話 White Lily ページ25
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田中「はぁ……っ、はぁ、っ、……いってぇな………、」
「最近お前喧嘩ふっかけてこねぇな、どうした?」
田中「……お前らとの喧嘩に飽きただけだよ。」
「なんだと?ビビってんのかこら。」
田中「ははは……やれるもんならやってみろ。今まで俺に勝った事もねぇのに威張りやがってよ……っ、うっ!?」
「調子こいてんじゃねぇぞクソガキ。大切な人が悲しむ前に降参でもしたらどうだ。あ?」
田中「俺には……大切な人なんか居ねぇよ……。」
「おぉー、親不孝な事言うもんだ。おい立てこら。」
田中「…………………。」
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森本「お、きたきた。おはよ。」
田中「………ん、」
森本「お前……また最近怪我多くなってないか……?」
田中「かすり傷だよ。」
森本「でも、あざになってんじゃねぇかよ……。またあいつら喧嘩売ってきてるの?大丈夫なの?」
田中「お前が気にする事じゃねぇって……、」
森本「おい、尉!」
富田「どうしたんだろうね、伴野尉。」
『大丈夫かな……。』
富田「そっか、伴野尉がこうなってるの見るのは初めてか。一年生の頃はもっと怪我とか酷かったんだよ。」
『……じゃあ、なんで最近は怪我してなかったのかな。私が一回も見てないって事は、少なくとも私と関わるようになってから減ってきてたって事だよね?』
富田「あー……うん、なんでだろ、分かんない。」
『……心配だね。』
富田「ん、そうだね。」
『じゃあ教室戻るね。』
富田「……星蘭が理由だよ……。」
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森本「尉?」
『最近、怪我が多いなって思って……。』
森本「……それは俺も思ってた。」
『やっぱり……。』
森本「……尉、やばい集団に絡まれてるんじゃないかっていう噂もあるんだよね。」
『え……?』
森本「……ヤンキーと言うよりかはチンピラというか。簡単に言うとヤンキーよりレベルが上がった感じの集団と夜の街に消えていったって聞いた事ある。」
『……大丈夫、だよね?』
森本「怪我は日に日に酷くなってるけど、俺が聞いても何も答えてくれないんだよ。「お前が気にする事じゃない」って言われたら引き下がるしかないじゃん。」
『……私、聞いてみようかな。尉くんに。』
森本「えっ、大丈夫なの?」
『だって、高石先生だってそろそろ産休入るって聞いたし、本当に……尉くんの手当する生徒いなくなっちゃうから。』
森本「うん……あいつ結構誤解されやすいタイプだから。根はいい奴なんだけど……見た目怖ぇし。」
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もえ(プロフ) - 花火2016さん» いえいえ!これからも密かに楽しませて頂きます^ ^ (2021年7月16日 18時) (レス) id: 5c6cbb5cac (このIDを非表示/違反報告)
花火2016(プロフ) - もえさん» こんにちは!コメントありがとうございます!恥ずかしながら存じ上げなかったので今調べたのですが、めちゃくちゃ美しい方ですね…!【君の名前で僕を呼んで】も気になるので近い内に観てみますね!教えていただきありがとうございます!! (2021年7月16日 15時) (レス) id: cdf4b9c055 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - 花火さんこんにちは!ティモシーシャラメさんご存知でしょうか?君の名前で僕を呼んでという映画がとても美しいのでもしご覧になったことが無かったら是非お勧めします! (2021年7月16日 7時) (レス) id: 5c6cbb5cac (このIDを非表示/違反報告)
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