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『……この世には暴かなきゃいけない真実と暴かない方がいい真実がある。暴いた真実を知って辛くなるのはこの世に取り残された人間なんだから。』
堤「……報われねぇなぁ…………。」
『……旦那様に言いに行きましょう、黙ってるわけにはいかないでしょ。事件が解決した、……してしまったんだから。』
堤「……………あぁ。」
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小日向「………、おぉ………、なんだぁ……?」
堤「祥さん……千鶴さん、亡くなってたよ。」
小日向「…………、」
『……言わないの?』
堤「言えないだろ、……集団リンチで亡くなったなんて。」
『しっ……聞こえるから。』
堤「…………祥さん、ごめん、俺嘘ついた。千鶴さん殺されたんだよ。千鶴さんが死刑判決をくだした事件の加害者家族によって殺された。遺体はまだ見つかってない。」
『ちょっと……!』
堤「ごめん……祥さん………。」
小日向「………………、」
堤「もっと早く、千鶴さんを見つけてあげたかった。もっと早く解決してれば良かった。……救われない結末にして……申し訳ないです……。」
小日向「………………、」
野村「帰りはいつ頃になるんだ?」
常盤「明後日の夕方。ラーメンばっかり食べてちゃダメだからね。帰ってきたらチェックするからね。」
野村「分かってるよ。行ってらっしゃい。」
常盤「……愛してる。」
野村「……俺もだよ。」
常盤「行ってきます!」
野村「行ってらっしゃい。」
小日向「…………泣くな…、丸尾……男だろ………。」
堤「……祥さん…………、」
小日向「そうか……、千鶴は死んだのか………。」
堤「ううっ……うぅ、…………」
『……………。』
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今田「……間違いない、ここです。殺害現場。……って事は死体遺棄現場は海……。近くの海を調べてください!白骨化の遺体が見つかるかもしれません!」
堤「そうか……見つかったか。ありがとう。……、」
『じゃあ……祥一郎さんは奥様を待ち続けてるの?』
堤「あの時、奇跡的に記憶が断片的に蘇っただけでな。……あれが祥さんの幸せの形なんじゃないか?」
『……犯人が亡くなってて良かった。……私の大切な人を、殺人犯にする訳にはいかないもの。』
堤「……執事ちゃん、あいつの事、愛してたんだな。」
『……でも、気持ちが分からない訳じゃないのよ?』
堤「………、」
『……小鳥遊を殺した犯人見つけなきゃ。……このままだと本当に答えのない問いを繰り返し続ける事になる。』
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