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堤「よぉ。」
八尋「こんばんは。」
『あ、きたきた……調べてほしい事があるの。』
堤「調べてほしい事……なんだ？」
『この事件の加害者家族を調べて欲しいの。出来るだけ近い間柄の人。それと、まだ存命の加害者家族。息子や娘、旦那や妻などの近しい関係の人を探し出してほしい。』
堤「うん、まぁいいけど……なんで10個もこんな事件、」
『加納千鶴が、死刑判決をくだした事件。』
堤「……は？」
『もしかしたら、何か分かるかもしれない。』
堤「なんで加害者家族なんかに連絡するんだよ。」
『……あくまでも仮説だから、あんまり感情的にならずに聞いてほしいんだけど、腹いせで殺害された可能性がある。』
八尋「えっ……」
堤「……………、」
『失踪事件って、必ず何かの痕跡が残されてるものなのよ。足跡とかね。そんな証拠があった事は捜査資料にも載ってないし、当時加納千鶴と確実に関わった人が、なにか握ってる可能性は極めて高い。』
堤「お前、ふざけんなよ。」
『何が？至って真面目だけど。』
堤「俺は亡くなっている可能性が高いって言ったんだよ。殺されてるなんて一言も言ってないだろ！千鶴さんが殺されてるなんて有り得ない、勝手に殺人事件にするな！！」
『……あなたは加納さんという刑事から何を学んだの？あらゆる可能性を考えて捜査するのが当たり前でしょう？証拠はおろか目撃証言も見つかってない、千鶴さんがどこに行ったのかさえ分からない、生きているのか死んでいるのかすら分からない。本当はあなたの大切な人の奥さんが殺されてるなんて考えたくないわよ。だけどその可能性も捨てきれないから調べてくれって頼んでるの。……誰も救われない可能性が高い事件の推理は、調べる方も辛いのよ。』
堤「……悪い、ちょっと頭冷やしてくる。」
八尋「………。なにかお飲み物をお持ちしましょうか？」
『……大丈夫。』
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丸尾「……………。」
「なんで俺達がこんな所に集められなきゃ行けねぇんだ。」
『……お忙しい中お集まりいただき感謝します。今ここに集まった10組には、とある共通点があります。
……自分と近しい関係性の人が誰かを殺害して、当時 最高裁判所長官だった加納千鶴によって死刑判決を受けた、という共通点が。』
「「…………。」」
『酒井さん。あなたのお婆様は、自分の息子の幼稚園の先生だった女性、そして殺人現場を目撃した園児三人を殺害し、事件の残忍さや身勝手さから死刑判決を受けた。』
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