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『………事件を解決する鍵は、絶対に千鶴さんが握ってくれているはず。……どこかで元気に生きてくれてる事を願いながら、手がかりを見つけましょう。』





堤「……どうだ?なんか分かりそうか?……てか執事ちゃんは?」

『寝てる。……手掛かりはまとめてみたの。だけど駄目ね、遺体、指紋、血痕、目撃証言……手掛かりは全て過去に消し去られてる。確実に「これ」っていう答えが出せる自信が無い。……携帯電話や財布とかも家には無かったのよね?』

堤「あぁ。千鶴さんがよく使っていた鞄も家に無かったから事件に巻き込まれたっていう線が強くなったんだよ。……当時の刑事が、もうちょっと捜査してくれていればな。」

『そうね……。でもまぁ、過去にとやかく言っても仕方ないから、やれる所までやってみるわ。まずは千鶴さんの事を知ってからね。……あなたは千鶴さんと交流はあったの?』

堤「あぁ、まぁ、たまにお家にお邪魔した時に話したぐらいだな。深い関係って訳ではなかったけど、祥さんが言うにはかなりしっかりした人だったみたいだぞ。約束とかは必ず守るような感じの。」

『しっかり者で律儀、真面目……さすが裁判長さんね。』

堤「……悪いな、なんか面倒な事頼んじまって。」

『別に面倒じゃないわよ。答えのない問いを延々と繰り返す人生は辛いから。……そろそろ終止符を打たなくちゃ。』


堤「……それ、執事ちゃんの事言ってんのか?あの日、柩の前で大声出して泣いてた女の子、あれ執事ちゃんだろ。」


『………覚えてたの?』

堤「……忘れらんねぇだろ、あんな光景。……なぁ、執事ちゃんは知ってんのか?執事ちゃんがここで働いている理由を雇い主であるお前が知ってる事。」

『知らないと思うわよ、きっと。』

堤「……そっちも見つかるといいな、犯人。」

『……そうね、希詠が見つける前に見つけなきゃ。』

堤「なんで?」

『……きっと希詠が犯人を見つけたら……希詠はきっと、その犯人の事、殺してしまうと思うから。希詠を人殺しにはしたくない。』

堤「……いいお嬢様だな。」

『……まぁ、まずは目の前の事件よ。早く解決してあげましょう。答えのない問いに、終止符を打つ為に。』


堤「じゃ、悪い。俺ちょっと出るわ。」

ムロ「最近丸尾さん帰るの早いですね……。」

堤「うん、まぁちょっとな。」

ムロ「……女ですか?」

『な訳ねぇだろ。じゃあな。』

ムロ「……何があったんだろう、丸尾さん……。」

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作者名:花火2016 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年1月18日 21時

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