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堤「おい、犯人自首したって本当か。」
『………うん。』
泉澤「……刑事さん僕が、彼を殺しました。こいつは一之瀬慧なんかじゃない。水城太郎だ。」
堤「お、おい、ちょっと待て、」
泉澤「屋敷に忍び込んだ水城と鉢合わせて揉み合いになり、このトロフィーで撲殺しました。一番に疑われるのは一之瀬だと殺害した後に気付き、一之瀬を屋敷の外に逃がしました。まだ橋が掛かっている時間に、」
堤「おい、待てって。……分かった、署で話は聞くから。」
『……この事件とよく似た話をよく知ってる。アーサー・コナン・ドイルの【恐怖の谷】という名作。それと状況は一緒よ。だけどね、ここは現実よ。小説の中でも何でもない。…本当にそれでいいの?』
泉澤「……俺は、殺人以外何もしてないですよ。」
堤「……ほら、行くぞ。」
『………………。』
古川「………、弥勒院さん、」
『……夜が明けて橋が掛かったら、奥さん連れて屋敷を出てどこか遠い所に行きなさい。……彼の分まで生きなさい。生きて、精一杯生きて、大切な人達を絶対に幸せにして、彼に顔向けできるくらい幸せになりなさい。』
古川「………ありがとうございました。……失礼します。」
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『……まさか名越さんに犯人に仕立てあげてくれなんて言われると思わなかったわ。………本当に良かったのかしら。』
八尋「……私は良かったと思いますよ。少なくとも、残された人間の人生が変わる事は無かったので。」
『………探偵失格ね、私。』
八尋「……いいんじゃないですか?形は歪ですけど、依頼人の依頼を成し遂げた事には変わりないんですから。」
『……そうかしら。』
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古川「………、行こうか、」
南沢「………うん。」
古川「………どこがいい?」
南沢「……どこか、温かい所がいいな。」
「…………………………、」
古川「そうだね、……どこがいいか、っ……!?」
南沢「………慧……………?」
古川「…………………………………………」
南沢「慧……!?、慧!!誰か!!誰か!!!」
泉澤「……慧…………銃殺………………、っ、はぁ……?そんな訳……そんな訳…………、そんな訳ないだろ!!!ふざけんな!!!!」
「おい、静かにしろ!!」
「346番!!静かにしなさい!!!」
泉澤「うわああああああああああああああ!!!!!!!」
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