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今田「一応今は爆死という線で話は進められていますが、犯人が殺害した遺体がこんな状態になる事を知っていた、もしくは加害者が爆発を引き起こした場合、どんな殺し方をしてもおかしくはないんです。絞め殺そうが刺し殺そうが、結局指紋も分からないくらい焼かれてしまうので。」
『確かにね……どんな殺し方をしても、最終的に遺体は焼かれるから本当の死因は分からない……か。』
八尋「私達はさすがに死因の特定は出来ないので死因の究明は浅木様に任せ、別の事を捜査した方が効率が良いかと。」
『そうね……だけど、屋敷の周りは塀で覆われていて、ここに繋がっている橋も22時頃にに挙げられてしまうから、本当に陸の孤島……ある意味密室殺人みたいなものね。……ねぇ、容疑者は居ないの?』
丸尾「大広間に二人いるよ、まぁ、なんか実質いないって言ってもおかしくない感じなんだけどな。」
『……ん、どういう事?』
ムロ「一人は一之瀬有香。被害者・一之瀬慧の奥様で事件の第一発見者でもあります。ですが彼女のお腹には八週目になるお子さんがいます。その状態で180cmの男性を殺害するのは流石に無理があるかと。」
『そうね、多分奥様は容疑者から外していいわ。……それでもう一人は?』
ムロ「もう一人は、名越正樹。フリージャーナリストをしている男で一之瀬慧とは古くからの友人で昨日から泊まりがけで遊びに来ていたとの事です。」
『さっきの言葉だと、彼も容疑者から外れるっていう事になるわよね。一体どういう事なのかしら。』
丸尾「奥様自身が名越の完璧なアリバイを証言してるからだよ。犯行時刻と思われる昨夜21時頃は名越と奥様は大広間で紅茶を飲みながら話をしていたそうだ。」
『その奥様が嘘をついている可能性は?』
丸尾「それは無いだろう。第一、嘘をつく理由がない。」
『まぁ確かに……ねぇ、事情聴取に行ってもいい?』
丸尾「ん、まぁいいけど……事情聴取って一歩間違えたら誘導尋問みたいになるから、俺も行く。それか今聞きたい事まとめとけ。俺が聞くからお嬢はそれで推理しろ。」
『分かった。じゃあまとめるから待ってて。』
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南沢「……あの、アリバイに関してはさっきも刑事さんにお話したと思うんですけど……。」
丸尾「すみませんね、ご協力ください。」
南沢「……名越さんがお風呂から上がると、夫は自分の書斎に戻って行ったんです。そのまま私は名越さんと二人で談笑しながらお茶をしてました。」
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