検索窓
今日:18 hit、昨日:15 hit、合計:130,071 hit

第四話 ページ9







柄本「…じゃあ、行ってくるね。」

『ん、りょうかーい。』

柄本「あ、…今日の夕飯、あのお弁当でいいかな。」

『うん、なんでもいいよ。』

柄本「分かった。…行ってきます。」

『……行ってらっしゃーい。』





井浦「…………。」

柄本「…あなたが黙ってるなんて珍しいですね。」

井浦「伊吹梢の家がおかしいって、伊吹家の近所のおば様が噂しててよ、どういう事なんだろう…ってな。」

柄本「……どうおかしいんですかね。」

井浦「ほら、こないだ話しただろ。従兄弟の…伊吹全だったかな。一緒に暮らしてんだよ、…普通有り得ねえだろ、従兄弟と一緒に暮らしてるなんてよ。」

柄本「…従兄弟、ねぇ。」

井浦「それだけじゃねぇぞ?

伊吹梢、全の親は三人兄弟で全員男。長男の娘二人、次男の娘が一人と息子が一人。三男の娘も一人。

次男の息子が全、三男の娘が梢だ。それに加えて三人の嫁も一緒に暮らしてる。合計…何人だ?あー…十人か。」

柄本「…八人でしょ、」

井浦「いやいや、それが違ぇんだよ。今言った八人+伊吹梢の両親がいるからよ。それで、合計十人。」

柄本「…長男と次男は?」

井浦「海外に出張中。ほら、伊吹こ…あーもう、フルネーム面倒くせぇな。梢の爺ちゃんが資産家だろ?

そんで会社も経営してたんだけど、その海外支店を任されてんのが、長男と次男なんだよ。だから今…上海の支店だったか?…とりあえず海外行ってんだよ。」

柄本「…三男だけが日本に……。」

井浦「俺らには到底分からねぇよな、あっち側の人間の生活は。」

柄本「………あっち側か。」

井浦「…お前もよ、奥さんの事引きずってねえで、新しい女見つけて結婚しちまえよ。養育費とか大変だろうけど。」

柄本「……………お気遣いどうも。」







夏帆「いらっしゃいませー…………なんですか?」

柄本「………メンチカツ弁当、二つ。」

夏帆「…1020円です。」

柄本「……………どう?元気かな、凛は。」

夏帆「………元気です。」

柄本「……まだ、会わせてはくれないか。」

夏帆「………ごめんなさい。」

柄本「……光、…もう怒ってない、あの事。だから、」

夏帆「…再婚は、出来ません。」

柄本「……………。」

夏帆「………また貴方を裏切るのが怖いの。」

柄本「………そっか。」


「…………パパ?」


柄本「…凛?」

夏帆「……………………………。」

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (81 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
210人がお気に入り
設定タグ:女優 , 恋愛 , ドラマ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:花火2016 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年8月3日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。