怪演女優 XVI (ページ47)

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第43回日本アカデミー賞ページ47

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『…………めっちゃ緊張する。』

窪田「あ、Aちゃんでも緊張する？」

『するよ…まだ人が多い方がいいから。無観客の方が緊張するもん…本当にコロナはぶっ飛ばします。』

窪田「参戦するわ。」

仲野「ねぇ、見て。健太郎がめっちゃ緊張してる。」

磯村「そりゃそうだよ…だってね、前回めちゃくちゃ出だしから緊張し過ぎて失敗してたじゃん。」

伊藤「それ言わないでよ…余計緊張するじゃん。」

私と健ちゃんは去年もアカデミー賞に出場したけど。今年と去年じゃ状況が違いすぎるから、この二人は特に緊張してる。

去年は一般観覧の人もたくさんいた。だけど今年はコロナの影響で一般観覧の方が全く居なくてがらんとしてしまってる。

それにプラスして深緑のドレスが重い上、こういう時に限ってスマホの充電がほぼない。なんてタイミングが悪いんだ。

スーツ姿の男性陣もずっとネクタイをいじったり、ポケットに入れてたスマホを入れたり出したり。あんな感じで余裕ぶってるけどめちゃくちゃ緊張してるらしい。

仲野「ねぇ、なんか緊張しない方法とかある？」

『緊張しない方法…そうだなぁ…あの、アカデミー賞より緊張する事を思い浮かべたらちょっと楽になるかも。』

窪田「例えば？」

『水川あさみさんのお義父さんに会いに行く時。』

窪田「あ、やばい。」

仲野「え、すごい。俺。俺は？」

『一回しか聞いた事の無い曲を今みたいにたくさんの人がいる中でドラムを叩くことになった時。』

仲野「おおおおおお…緊張する……」

伊藤「僕は？僕は？」

『ピロリロリーン！の流れを環奈ちゃんと大御所の人の前…例えば、タモリさんの前でやることになった時。』

伊藤「うわ、緊張以前に普通にやだ。」

『待って私天才かもしれない。』

磯村「僕は？」

『私のお父さんに会いに行く時。』

磯村「え、別れた状態で？」

『そう。初めまして！Aさんとお付き合いさせていただきました！もう別れてますけど！って言いに行く時。』

磯村「辛すぎる。」

『アカデミーとどっちが緊張する？』

磯村「お義父さん。」

『良かったね、アカデミーより緊張するものできたから本番は大丈夫だよ。てか入場するの私だけだよ。』

「「そっか。」」

『ゆるいなー…』

日本アカデミー賞の前にこんなゆるい会話しているグループが他にいるだろうか。いや、絶対に居ない。