episode 136 ページ47
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『だから、私二度と会いに来ない。黒島沙和は、私にとって全く無関係の赤の他人だから。』
前に友達の振りをしていたなんて、誰が信じるだろう。
アイドルみたいな爽やかな笑顔で「Aちゃん。」と呼ばれていたはずの数ヶ月前が懐かしい。
そんな、馬鹿みたいに沙和ちゃんを親友だと思っていた数ヶ月前が、一番楽しかったかもしれない。
なんでこうなったんだろう。
今、死刑囚となった黒島沙和の面会に来るまで、何度も何度も考えたその13文字が、また頭の中に過ぎる。
もう過ぎっても、赤の他人なんだから関係ないのに。
黒島「そっか。」
いつもの爽やかな笑顔で言う彼女にほんの少しだけ腹が立ってしまうけれど、それをぐっと飲み込んだ。
『…今までありがとう。沙和ちゃんにとってはただの計画だっただけかもしれないけど、楽しかったよ。』
黒島「………うん。じゃあ、元気でね。」
最後まで、楽しかった。という言葉が沙和ちゃんから聞けると思ってしまっていた自分は欲が多いのだろうか。
それでも、最後でも、
救われたい自分がどこかにいたのかもしれない。
『………終わりで大丈夫です。』
「よろしいんですか？」
『はい。…もう平気です。』
私は椅子から立ち、沙和ちゃんの顔を見ずに刑務官さんが開けているドアの方にゆっくり歩き出した。
もう二度と会うことはない。
そう思うと元友達、現赤の他人なのに、少しだけ。…ほんの少しだけ寂しく感じてしまう自分が恥ずかしい。
なんだかモヤっとした気分だけど、会わなきゃ良かった。なんて感覚がないのが不思議で仕方がない。
私がドアの前に出る時。
黒島「Aちゃん。」
と後ろから名前を呼ばれた。
だけど振り返りたくない頑固な自分がいて、そのまま前を向いていると、沙和ちゃんはいつもの口調で言った。
黒島「……二階堂さんに、よろしく言っといて。」
今の今まで、救われないと思っていた自分だったけど、殺人鬼だろうとなんだろうと、沙和ちゃんの一言で、
お兄ちゃんは少なくとも救われたのではないか。
最後の最後で、沙和ちゃんの優しさ…なのかは分からないけれど、人間らしさが受け取れて、嬉しくなった。
だけど自分にも意地というか…頑固な部分があって、私は何も返さずに、面会室の外に出た。
後悔するかもしれないけれど、前に進まなきゃどうする事も出来ない。…赤の他人にそんな事を教わってしまった。
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そある(プロフ) - こんにちは。突然連絡をしてしまい、すみません！あなたの番ですの再放送をしており、この夢小説の内容が気になって、読んだ結果とても面白い、楽しいと感じました。完結おめでとうございます！作者さんにはとても感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。 (2021年7月10日 16時) (
レス) id: c056380204 (このIDを非表示/違反報告)
橋本@かんな(プロフ) - 完結おめでとうございます！全話楽しく読ませていただきました。終わってしまうのが寂しいです…。作者さんには「ありがとう」でいっぱいです。お疲れ様でした！ (2019年11月10日 10時) (レス) id: f44fa375d7 (このIDを非表示/違反報告)
ユーナ(プロフ) - 完結おめでとうございます！いつも陰ながら応援していました。とても読みやすく本当に面白くてキュンとして完結したのも少し寂しいです ただ本当にありがとうございました！この小説に出会えて良かったです (2019年11月10日 2時) (レス) id: cd6555e146 (このIDを非表示/違反報告)
がなと(プロフ) - 完結おめでとうございます！いつも楽しみに待っていた小説でした。本当に面白かったです！ (2019年11月10日 1時) (レス) id: 9453040fcf (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 135話に誤字がありました。「同性」ではなく、「同棲」です。 (2019年11月9日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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