episode 132 ページ43
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『……。』
二階堂「……。」
翔太「……。」
神谷「……。」
神谷さんに大学の帰りに「一緒にお鍋食べませんか?」とお誘いしたところ、「はい。」と連絡が来たので。
遠慮なく家にお呼びしたところ。
翔太さんは最初から「神谷さん!いらっしゃい!」と笑顔でお迎えしてくれたのだけど、お兄ちゃんは。
二階堂「………。」
この通りだった。
一言も喋ることなく翔太さんが着々とお鍋を準備してくれてるのを、じっと見ているだけだった。
そんなお兄ちゃんに影響されたからか、翔太さんのお鍋を囲んでいる四人は黙って鍋を見つめていたのだけど。
その沈黙を破ったのは、翔太さんだった。
翔太「神谷さん、お鍋、嫌いでした?」
神谷「いえ、好きです。」
翔太「あ、良かった。Aちゃんもお鍋は…?」
『翔太さんのお鍋大好きですよ。』
翔太「どーやんもさー、自分が別れたばっかりなのに妹に彼氏ができて悔しいのは分かるよ?だけどさ、」
二階堂「別に悔しい訳じゃありません。」
神谷「…俺、帰りましょうか。」
『いや、いてください。神谷さんはいてください。』
翔太「そうですよ!…ちょっと、どーやん!」
翔太さんがお兄ちゃんのお母さんに見えてきた、なんて言ったらお兄ちゃんに睨まれてしまうかもだけど。
神谷さんに気を使わせてしまうのがなんだか申し訳ないので、黙ってお兄ちゃんのお皿にお鍋をよそった。
二階堂「…手塚さんだったらどうします?もしも妹が彼氏を家に連れてきたら、なんて言います?」
『彼氏…。』
翔太「…妹をよろしくお願いしますー。っていう。」
二階堂「それは普通は親の役目でしょ、兄はその彼氏に「どうも。」って言うしかないんです。分かります?」
『彼氏…。』
翔太「「どうも。」でいいじゃん。他になに言うの。」
二階堂「「どうも。」って言った彼氏と、それ以外に何を話せばいいんですか。それを悩んでるんです。」
『彼氏…。』
二階堂「そんな何回も僕が彼氏って言った事にたいして驚いたような表情で、彼氏…。って言わないでよ。」
そんなお兄ちゃんが私に対して言ってきた時だった。
ジーンズのポケットに入れていたスマホが鳴った。
LINEを確認すると、その送り主は目の前にいるはずの神谷さんで。少し不思議に感じながらLINEを開いた。
その内容が、
「この会話楽しいです。」
という内容で、思わず吹き出してしまうと、お兄ちゃんが凄く不機嫌そうな顔でこちらを見てきた。
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そある(プロフ) - こんにちは。突然連絡をしてしまい、すみません!あなたの番ですの再放送をしており、この夢小説の内容が気になって、読んだ結果とても面白い、楽しいと感じました。完結おめでとうございます!作者さんにはとても感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。 (2021年7月10日 16時) (レス) id: c056380204 (このIDを非表示/違反報告)
橋本@かんな(プロフ) - 完結おめでとうございます!全話楽しく読ませていただきました。終わってしまうのが寂しいです…。作者さんには「ありがとう」でいっぱいです。お疲れ様でした! (2019年11月10日 10時) (レス) id: f44fa375d7 (このIDを非表示/違反報告)
ユーナ(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも陰ながら応援していました。とても読みやすく本当に面白くてキュンとして完結したのも少し寂しいです ただ本当にありがとうございました!この小説に出会えて良かったです (2019年11月10日 2時) (レス) id: cd6555e146 (このIDを非表示/違反報告)
がなと(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも楽しみに待っていた小説でした。本当に面白かったです! (2019年11月10日 1時) (レス) id: 9453040fcf (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 135話に誤字がありました。「同性」ではなく、「同棲」です。 (2019年11月9日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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