検索窓
今日:20 hit、昨日:8 hit、合計:327,893 hit

episode 131 ページ42








二階堂「は?」

『ん?』

二階堂「え、なに、は?」

『いや、こっちが「は?」なんだけど。』

二階堂「いやいや、え、付き合ってんの?」

『うん。正式には昨日付き合った、だけど。』

二階堂「あの刑事さんと?」

『うん。あ、神谷さんね。神谷将人さん。覚えて。』


結局あの日は明日も私は大学があり、神谷さんは仕事があって、早く出ないといけなくなってしまう。

なのでそのままマンションに帰ってきたのだ。

「また連絡します。」と優しい顔で言ってくれた神谷さんの顔が忘れられないのは、付き合ったからだろうか。

今は朝。普通に帰ってきて、ウイダーinゼリーを飲んでるお兄ちゃんと一緒にご飯を食べているところだ。

だけどそこまで驚くことだろうか。


二階堂「いま名前関係ないよ。この際どうでもいいよ。」

『いや、どうでもよくはないでしょ。』

二階堂「いま話してるのは付き合ってんの?って話でしょ、別に今更名前なんてどうでもいいよ、覚えるし。」

『うん。だから付き合ったよ、って話。』

二階堂「…それ絶対手塚さんに言わないでよ。」

『なんでよ。』

二階堂「どうせお祝いだーって言ってまた変な鍋のレパートリー増やしてくるんだから。面倒だから。ね?」

『もう言っちゃったよ、昨日。帰ってきた時にすれ違ったから。お兄ちゃんより先に言っちゃったから。』


そう言うとお兄ちゃんは何も言わずに顔をしかめた。

あの事件が終わった以降も翔太さんはお鍋を持ってきてくれて、だいたい毎晩七時頃ぐらいに、

「どーやん!鍋!」と大きな声でインターホンの前で言ってくるのだ。美味しいから私はいいのだけど。

だけど本当にそろそろ翔太さんのお鍋が飽きてきたらしく、たまにその時間に席を外すこともあったのだ。

そういう時は翔太さんと二人で一緒に鍋をつつくのだけど、これがまた楽しいからそれはそれでいい。


『って事だから、今日神谷さん呼んでいい?』

二階堂「なんでよ。」

『いいじゃん、お祝いされる人がそこにいないなんて、新郎新婦がいない結婚式みたいなもんでしょ。』

二階堂「例えがよく分かんないし、え、なに、その神谷さんはなんて言ってるの。来るって言ってるの?」

『まだ。』

二階堂「は?」

『何よ。』

二階堂「じゃあ呼ばないでよ、他人の匂い苦手だって言ってるよね?」

『あ、もうこんな時間。行ってきますー。』


お兄ちゃんの話を遮り、私は大学へと向かった。

神谷さんからの連絡はなかった。

episode 132→←episode 130



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (408 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1001人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

そある(プロフ) - こんにちは。突然連絡をしてしまい、すみません!あなたの番ですの再放送をしており、この夢小説の内容が気になって、読んだ結果とても面白い、楽しいと感じました。完結おめでとうございます!作者さんにはとても感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。 (2021年7月10日 16時) (レス) id: c056380204 (このIDを非表示/違反報告)
橋本@かんな(プロフ) - 完結おめでとうございます!全話楽しく読ませていただきました。終わってしまうのが寂しいです…。作者さんには「ありがとう」でいっぱいです。お疲れ様でした! (2019年11月10日 10時) (レス) id: f44fa375d7 (このIDを非表示/違反報告)
ユーナ(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも陰ながら応援していました。とても読みやすく本当に面白くてキュンとして完結したのも少し寂しいです ただ本当にありがとうございました!この小説に出会えて良かったです (2019年11月10日 2時) (レス) id: cd6555e146 (このIDを非表示/違反報告)
がなと(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも楽しみに待っていた小説でした。本当に面白かったです! (2019年11月10日 1時) (レス) id: 9453040fcf (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 135話に誤字がありました。「同性」ではなく、「同棲」です。 (2019年11月9日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:花火2016 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年9月5日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。