episode 131 ページ42
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二階堂「は?」
『ん?』
二階堂「え、なに、は?」
『いや、こっちが「は?」なんだけど。』
二階堂「いやいや、え、付き合ってんの?」
『うん。正式には昨日付き合った、だけど。』
二階堂「あの刑事さんと?」
『うん。あ、神谷さんね。神谷将人さん。覚えて。』
結局あの日は明日も私は大学があり、神谷さんは仕事があって、早く出ないといけなくなってしまう。
なのでそのままマンションに帰ってきたのだ。
「また連絡します。」と優しい顔で言ってくれた神谷さんの顔が忘れられないのは、付き合ったからだろうか。
今は朝。普通に帰ってきて、ウイダーinゼリーを飲んでるお兄ちゃんと一緒にご飯を食べているところだ。
だけどそこまで驚くことだろうか。
二階堂「いま名前関係ないよ。この際どうでもいいよ。」
『いや、どうでもよくはないでしょ。』
二階堂「いま話してるのは付き合ってんの?って話でしょ、別に今更名前なんてどうでもいいよ、覚えるし。」
『うん。だから付き合ったよ、って話。』
二階堂「…それ絶対手塚さんに言わないでよ。」
『なんでよ。』
二階堂「どうせお祝いだーって言ってまた変な鍋のレパートリー増やしてくるんだから。面倒だから。ね?」
『もう言っちゃったよ、昨日。帰ってきた時にすれ違ったから。お兄ちゃんより先に言っちゃったから。』
そう言うとお兄ちゃんは何も言わずに顔をしかめた。
あの事件が終わった以降も翔太さんはお鍋を持ってきてくれて、だいたい毎晩七時頃ぐらいに、
「どーやん!鍋!」と大きな声でインターホンの前で言ってくるのだ。美味しいから私はいいのだけど。
だけど本当にそろそろ翔太さんのお鍋が飽きてきたらしく、たまにその時間に席を外すこともあったのだ。
そういう時は翔太さんと二人で一緒に鍋をつつくのだけど、これがまた楽しいからそれはそれでいい。
『って事だから、今日神谷さん呼んでいい?』
二階堂「なんでよ。」
『いいじゃん、お祝いされる人がそこにいないなんて、新郎新婦がいない結婚式みたいなもんでしょ。』
二階堂「例えがよく分かんないし、え、なに、その神谷さんはなんて言ってるの。来るって言ってるの?」
『まだ。』
二階堂「は?」
『何よ。』
二階堂「じゃあ呼ばないでよ、他人の匂い苦手だって言ってるよね?」
『あ、もうこんな時間。行ってきますー。』
お兄ちゃんの話を遮り、私は大学へと向かった。
神谷さんからの連絡はなかった。
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そある(プロフ) - こんにちは。突然連絡をしてしまい、すみません!あなたの番ですの再放送をしており、この夢小説の内容が気になって、読んだ結果とても面白い、楽しいと感じました。完結おめでとうございます!作者さんにはとても感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。 (2021年7月10日 16時) (レス) id: c056380204 (このIDを非表示/違反報告)
橋本@かんな(プロフ) - 完結おめでとうございます!全話楽しく読ませていただきました。終わってしまうのが寂しいです…。作者さんには「ありがとう」でいっぱいです。お疲れ様でした! (2019年11月10日 10時) (レス) id: f44fa375d7 (このIDを非表示/違反報告)
ユーナ(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも陰ながら応援していました。とても読みやすく本当に面白くてキュンとして完結したのも少し寂しいです ただ本当にありがとうございました!この小説に出会えて良かったです (2019年11月10日 2時) (レス) id: cd6555e146 (このIDを非表示/違反報告)
がなと(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも楽しみに待っていた小説でした。本当に面白かったです! (2019年11月10日 1時) (レス) id: 9453040fcf (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 135話に誤字がありました。「同性」ではなく、「同棲」です。 (2019年11月9日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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