episode 124 ページ34
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『ここは…？』
神谷さんに連れてこられたのは、とある墓地。
まだ明るいから怖い雰囲気は全くないけど、今日はお盆でもなんでもない。…お墓参りでもするのだろうか。
車に乗ったまま、神谷さんは隣で口を開いた。
神谷「あの日あなたが見た物、覚えてます？棚に置いてあった写真立てに入っていた、俺と女性の写真。」
『はい…。あの時はすいませんでした…。』
神谷「…覚えてます？その時の会話。」
『…大まかには。』
墓地でこの話をするということは、あの人はもうこの世にはいないのだろう、という事しか分からない。
あの時の会話を必死に思い出す。
………………。
まさか、
神谷「…あなたの事を信用してるから言います。」
『………はい。』
神谷「…俺の元カノは、五年前に亡くなりました。」
なんとなく想像はしていたけれど、神谷さんの口からその言葉が出たことに胸がズキっと痛くなってしまう。
本当に、元カノさんは亡くなっていたのか。
…聞くだけで、涙が出そうになってしまう。
神谷「…誰も責められないような、不慮の事故でした。その被害者が、たまたまあの人だっただけで。」
『………。』
神谷「本当はもう忘れたいんですけど、忘れたくない自分もどこかにいて、あの写真だけは捨てられなくて。」
『そう、だったんですか。』
神谷「…だけど、それも今日でおしまいにします。」
『え…？』
神谷「……お別れしに行きたくて。二階堂さんは車に残っててください。行ったって面白くないので。」
そう言った神谷さんの目は切なげで、このまま放ってはおけないような、そんな顔をしていた。
そこまで彼女さんのことが好きだったのか、と思って、さっきとは違う意味で、胸がギュッと締め付けられる。
そんな神谷さんは見たくない。
『…お別れ、する事ないんじゃないですかね。』
神谷「……いえ。してきます。」
『………神谷さんが決めたなら、何も言いません。』
神谷「…送り届けてからの方が良かったのですが、お墓の時間的にちょっとあれだったので…すいません。」
『いえいえ。…ゆっくりお別れしてきてください。』
神谷「…行ってきます。」
神谷さんは運転席から降りて、車のドアを静かに閉め、墓地の方に向かっていってしまった。
好きな人からこの話を聞いて、自分の方が悲しくならないような女性なんているのだろうか。
そんな事を考えていると、涙が溢れそうになってしまった。
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そある(プロフ) - こんにちは。突然連絡をしてしまい、すみません！あなたの番ですの再放送をしており、この夢小説の内容が気になって、読んだ結果とても面白い、楽しいと感じました。完結おめでとうございます！作者さんにはとても感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。 (2021年7月10日 16時) (
レス) id: c056380204 (このIDを非表示/違反報告)
橋本@かんな(プロフ) - 完結おめでとうございます！全話楽しく読ませていただきました。終わってしまうのが寂しいです…。作者さんには「ありがとう」でいっぱいです。お疲れ様でした！ (2019年11月10日 10時) (レス) id: f44fa375d7 (このIDを非表示/違反報告)
ユーナ(プロフ) - 完結おめでとうございます！いつも陰ながら応援していました。とても読みやすく本当に面白くてキュンとして完結したのも少し寂しいです ただ本当にありがとうございました！この小説に出会えて良かったです (2019年11月10日 2時) (レス) id: cd6555e146 (このIDを非表示/違反報告)
がなと(プロフ) - 完結おめでとうございます！いつも楽しみに待っていた小説でした。本当に面白かったです！ (2019年11月10日 1時) (レス) id: 9453040fcf (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 135話に誤字がありました。「同性」ではなく、「同棲」です。 (2019年11月9日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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