episode 104 ページ14
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神谷「…部屋まで送りますよ。」
『もうここで大丈夫です。ありがとうございました。』
神谷「…お気を付けて。」
『神谷さんも。お気を付けて。』
神谷さんの車が駐車場から出て行くのを確認して、私は重い荷物の重量に耐えながら階段を駆け上がった。
お兄ちゃんとの約束の時間まで、もう少し。
鍵を開けて洋服が入っているバッグを廊下に放り出し、画材などは優しく壁に立てかけ、すぐに部屋を出た。
所持品は携帯と財布だけ。
持っていくのはこれで十分だ。
タクシーが拾える大通りまであまり速くない足で走り出し、手を挙げてタクシーを捕まえる。
「どちらまで。」
『ホテルグランドすみだまで。』
タクシーの中から見えるスカイツリーが、なんだか今は少しだけ自分の中で嫌なものに見えてしまう。
だけど、これからの展開なんて誰にも分からない。
私は手を握りしめて覚悟を決めた。
…のは良いけど、やはりホテルグランドすみだの707号室のドアの前に立つと、手に変な汗をかいてしまった。
ぎゅっと自分の手を握りしめ、心の中で「大丈夫。」と何度も唱えながら、部屋のドアを三回ノックした。
すると部屋の中から足音が聞こえてきて、お兄ちゃんなのだろうけど、私は少しだけ身構えてしまった。
二階堂「…………。」
『…久しぶり。』
二階堂「…呼び出してごめん。」
『話はあと。とりあえず部屋の中、入れて。』
正直、許せているかどうかはまだ微妙だったけれど、今だけは協力関係を結ばなくてはいけない。
申し訳なさそうな視線を向けるお兄ちゃんはドアを押えながら、私が入れるくらいの空間を横に空けてくれた。
私はそこからホテルの部屋の中に入る。
だけど、そこには想像もしていなかった光景が広がっており、私は一瞬呼吸をするのを忘れてしまった。
黒いガムテープで手首と足首を縛られた翔太さんが、ぐったりとした様子でベッドに転がっていたのだ。
『……お兄ちゃん？これどういう……』
二階堂「……………。」
『…言ってくれなきゃ分かんないでしょ？』
二階堂「…………………ごめん。」
『だから、ごめんじゃ分かんな』
私が強い口調でお兄ちゃんに言いかけた所でお兄ちゃんは私の背後に回り、力強く私の首に手を回した。
そして力強く、ぎゅっと力を入れた。
『ぐっ……！？おに、ちゃ、ぐるじい…………』
抵抗もあえなく、私は意識を手放した。
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そある(プロフ) - こんにちは。突然連絡をしてしまい、すみません！あなたの番ですの再放送をしており、この夢小説の内容が気になって、読んだ結果とても面白い、楽しいと感じました。完結おめでとうございます！作者さんにはとても感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。 (2021年7月10日 16時) (
レス) id: c056380204 (このIDを非表示/違反報告)
橋本@かんな(プロフ) - 完結おめでとうございます！全話楽しく読ませていただきました。終わってしまうのが寂しいです…。作者さんには「ありがとう」でいっぱいです。お疲れ様でした！ (2019年11月10日 10時) (レス) id: f44fa375d7 (このIDを非表示/違反報告)
ユーナ(プロフ) - 完結おめでとうございます！いつも陰ながら応援していました。とても読みやすく本当に面白くてキュンとして完結したのも少し寂しいです ただ本当にありがとうございました！この小説に出会えて良かったです (2019年11月10日 2時) (レス) id: cd6555e146 (このIDを非表示/違反報告)
がなと(プロフ) - 完結おめでとうございます！いつも楽しみに待っていた小説でした。本当に面白かったです！ (2019年11月10日 1時) (レス) id: 9453040fcf (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 135話に誤字がありました。「同性」ではなく、「同棲」です。 (2019年11月9日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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