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episode 120 ページ30







自分の行動が普通じゃない事は、分かってる。

私の事を利用価値がある人間としてしか見ていなかった殺人鬼の絵を描いていたのか、それだけは分からない。

ただ、気付いたら沙和ちゃんの絵をいくつものキャンバスに殴るように描いていたのを覚えている。

こんな絵を描く為に為に美術大学に入った訳ではないけれど、それでも描いてしまう自分はどうかしている。

私も沙和ちゃんの影響を受けすぎて、おかしくなってしまったお兄ちゃんと一緒で、おかしいのだと思う。

そんな事を思いながら、ここ最近ずっと思っていた事を話す私を見て、あの人はどう思っただろう。


『…軽蔑しますよね、こんな私。』


神谷さんはその問いには答えなかった。

その代わり、神谷さんは扉を開けたまま、キャンバスがいくつも置いてある床にあぐらをかいて座った。


『…………。』

神谷「…俺は、2年前に捜査対象の相手に情報を漏らして150万円もの大金を受け取りました。収賄です。」

『………はっ、…え?』


この人はなにを言い出すのだろう。

だけど、それがもし本当だとしたら、私と出会う前に神谷さんは汚職を働いていたという事なのだろうか。

そう考えると言葉が出なかった。


神谷「…俺の事軽蔑しますか?」

『……私が知っている神谷さんは良い人だって分かってるので…軽蔑よりも驚きの気持ちの方が、勝ってます。』

神谷「俺も同じです。」

『え…?』

神谷「あなたが猟奇殺人犯に依存している形になっていようが、俺はあなたを軽蔑しません。絶対に。」


まさか、私の事を慰めようとして、本当は隠しておきたかったはずの収賄の件を例題に出してくれたのか…?

だけど、そこまでしてくれると、逆に申し訳なくなる。


神谷「…収賄の事なんて言わせちゃって申し訳ない、とか、まさかそんな事思ってませんよね。」

『…なんで分かったんですか。』

神谷「…罪を犯したのは自分です。別に申し訳ないなんて思わなくていい。今は自分の事を考えてください。」


こういう時、本当に悪い人が私に優しくしてきたりしたら、弱っているところに…なんて言うのだけれど。

収賄という罪を犯した神谷さんが優しくしてくれても、そんな事思わないし、そんな事、絶対に思えない。

神谷さんだって悪い事をした人のはずで、弱っているところに漬け込む…と思ってしまうような人なのに、そう思えない。

この違いは、一体なんだろう。

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そある(プロフ) - こんにちは。突然連絡をしてしまい、すみません!あなたの番ですの再放送をしており、この夢小説の内容が気になって、読んだ結果とても面白い、楽しいと感じました。完結おめでとうございます!作者さんにはとても感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。 (2021年7月10日 16時) (レス) id: c056380204 (このIDを非表示/違反報告)
橋本@かんな(プロフ) - 完結おめでとうございます!全話楽しく読ませていただきました。終わってしまうのが寂しいです…。作者さんには「ありがとう」でいっぱいです。お疲れ様でした! (2019年11月10日 10時) (レス) id: f44fa375d7 (このIDを非表示/違反報告)
ユーナ(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも陰ながら応援していました。とても読みやすく本当に面白くてキュンとして完結したのも少し寂しいです ただ本当にありがとうございました!この小説に出会えて良かったです (2019年11月10日 2時) (レス) id: cd6555e146 (このIDを非表示/違反報告)
がなと(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも楽しみに待っていた小説でした。本当に面白かったです! (2019年11月10日 1時) (レス) id: 9453040fcf (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 135話に誤字がありました。「同性」ではなく、「同棲」です。 (2019年11月9日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花火2016 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年9月5日 17時

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