episode 118 ページ28
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神谷 side
あの事件から、数日が経った。
例のマンションの中は、今までの不穏な空気なんて嘘のように、いつも通り少しだけ明るくなっていた。
何故、俺は事件が終わったのにこの場にいるのか。
それは、あの人が心配だったから。
事情聴取が終わって車でお送りした時も、疲れきった、とは別の…言うならば、絶望したような顔をしていた。
何に絶望したのかは、分からないけれど。
あれから気分転換にお茶しよう、と誘おうとして電話をかけても出てくれなかったので、心配になったのだ。
元気に…とは言わないけど、生きてるだろうか。
そんな事を思いながら、緊張で何故か少しだけ震えている手で、304号室のインターホンを押した。
それから20秒ほど経ってから、部屋のドアチェーンを掛けたままドアを開けたのは、二階堂忍だった。
彼女が猟奇的な殺人鬼だった、というこの人も随分と災難な人だ。顔が以前よりも疲れ切ってしまっていた。
神谷「…どうも。」
二階堂「…何かありました？」
神谷「…妹さん、連絡取れないんで心配になって。」
二階堂「……上がってください。」
良く言えば綺麗で、悪くいえば殺風景なこの部屋に最後に入ったのは、一体いつの事だっただろう。
出会ったあの日から、色々な意味で濃い日々が続いて、初めてここにお邪魔した日が遠い昔のように感じる。
神谷「…Aさんは。」
二階堂「…あの日以来、なにも用事がない日は、お風呂とトイレ以外は、ずっと引きこもってて。」
神谷「………。」
二階堂「…僕が、傷付けたからなんですけど。」
神谷「…お出掛けですか、これから。」
俺と喋っている間も二階堂忍はバッグに書類などをたくさん詰めており、出かける準備をしているようだった。
その質問の答えだと言わんばかりに、二回ほど頷いた。
神谷「無事が確認できればいいので、じゃあ。」
二階堂「…ゆっくりしててください。」
神谷「いや、でも…」
急な発言に戸惑っていると、俺よりも少しだけ背が低い二階堂忍は、背伸びをして耳元で俺に囁いた。
その言葉は俺にとっては責任が重すぎて、断ろうと二階堂忍の顔を見たのだが、彼の顔は真剣そのものだった。
そして俺に頭を下げ、玄関の外に出ていってしまった。
二階堂「妹を、連れ出してくれませんか。」
これを実現出来るかどうかは分からないけれど、頼まれたからにはダメ元でやって見るしかない。
俺は二階堂さんの部屋のドアの前に立ち、声をかけた。
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そある(プロフ) - こんにちは。突然連絡をしてしまい、すみません！あなたの番ですの再放送をしており、この夢小説の内容が気になって、読んだ結果とても面白い、楽しいと感じました。完結おめでとうございます！作者さんにはとても感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。 (2021年7月10日 16時) (
レス) id: c056380204 (このIDを非表示/違反報告)
橋本@かんな(プロフ) - 完結おめでとうございます！全話楽しく読ませていただきました。終わってしまうのが寂しいです…。作者さんには「ありがとう」でいっぱいです。お疲れ様でした！ (2019年11月10日 10時) (レス) id: f44fa375d7 (このIDを非表示/違反報告)
ユーナ(プロフ) - 完結おめでとうございます！いつも陰ながら応援していました。とても読みやすく本当に面白くてキュンとして完結したのも少し寂しいです ただ本当にありがとうございました！この小説に出会えて良かったです (2019年11月10日 2時) (レス) id: cd6555e146 (このIDを非表示/違反報告)
がなと(プロフ) - 完結おめでとうございます！いつも楽しみに待っていた小説でした。本当に面白かったです！ (2019年11月10日 1時) (レス) id: 9453040fcf (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 135話に誤字がありました。「同性」ではなく、「同棲」です。 (2019年11月9日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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