どーやんの妹。第３章

episode 115 ページ25

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神谷 side


先に言っておく。

これは数時間前の話だ。

話は手塚菜奈の亡くなる直前の動画を、先日出頭してきた田宮淳一郎に見せた所から始まる。

その時、もう犯人は特定していたのだけど。


田宮「これは…。」

水城「二つほど音声加工されていたものがあったのですが、これが、元々の音声だと判明しました。」

田宮「…黒島さんの声、ですか？」


少なくとも、手塚菜奈を殺害した犯人は黒島沙和だ。

それを見せると、黒島沙和の彼氏の波止陽樹を殺害したと自首してきた田宮淳一郎は、目を見開いていた。

表情だけで驚いているのか分かる。

俺はそんな驚きを隠せない田宮淳一郎を見ながら、黒島
沙和と仲が良かった彼女の事を考えてしまっていた。

二階堂さんは、大丈夫だろうか。


水城「手塚菜奈を殺したのは黒島だったんです。しかも相当、猟奇的な人物です。

あなたの知っている事を全て話してください！彼女は他に何人も殺してる可能性があるんですよ！？」

田宮「例のゲームで私の引いた紙に、波止陽樹と書いてありました。黒島さんが書いた紙でしょう。」


やはり、あのゲームでどんどん人が死んで行ったのか。

例のゲームの件を不純な理由で自分の所で止めていたという事に、今更ながら罪悪感を感じてしまう。

そんな時、一緒に捜査をしていた刑事が俺と水城さんを呼び出した。きっと何かまたあったのだろう。


「手塚菜奈、殺害時の黒島のアリバイですが、防犯カメラの映像に細工がされてありました。」

水城「どこだ！」

「同じ時刻の店外の路上防犯カメラを確認した所、店内カメラの映像と、通行人の動きが一致しないんです…！」

水城「日時だけ残して、黒島がいる映像を上書きしたのか…。」

神谷「誰が細工したかは？」

「このファミレス、内山がバイトしてました。」

神谷「また内山かよ…。」


声に出てしまっていたが、真犯人である黒島沙和と自分が犯人だと名乗り出た内山達夫の接点がありすぎる。

内山が死んだ辺りから怪しいとは思っていたのだが、まさか本当に黒島沙和が犯人だとは思っていなかった。


水城「黒島の逮捕状を請求しろ！！」

神谷「はい！」


この事件が起きて、水城さんとの関係性も変わった。

最初はビクビクしてて頼りない水城さんは、事件が進展していく度にどんどん頼もしくなっていった。

この事件が起きてから、変わった事が多すぎる。

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