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episode 113 ページ23







しばらく、なんの音もしなくなった。

嫌な予感はどこかに消えて、私は目を開けた。

すると、

そこには、


『………えっ?』


翔太さんが、沙和ちゃんを抱き抱えていた。

正直、何が起きているのか分からなかったけれど、その時、また翔太さんのスマホから音声が流れた。


"怒ってても抱き締める人、それが手塚翔大。"

翔太「さすが菜奈ちゃん。ブルだよ、ブル。…どーやんごめんね、黒島ちゃんハグしちゃって。」

二階堂「………………。」

翔太「でも、このまま警察連れてくからね。」


翔太さんは沙和ちゃんをよいしょ、と声を上げて持ち上げ、そのままドアの方に向かって歩き出した。

終わった。

そんな脱力感で体がヘトヘトになっていると、お兄ちゃんが立ち上がり、「黒島さん。」と声をかけた。


黒島「…ひまわり畑にいる時は一瞬だけ…このまま普通の人になれるかもって思えた。ありがとう。」


沙和ちゃんの言葉に、お兄ちゃんは首を横に振った。

正直、何も信じられなくなっていた自分がいたけれど、沙和ちゃんに対するお兄ちゃんの愛だけは、

信じてもいいのかな、と思ってしまった。


翔太「連れてくよ。」


翔太さんはドアを開け、沙和ちゃんを抱き抱えたまま廊下に出た。

そのまま、ドアは音を立てて閉まった。

その部屋には、呆然と立ち尽くすお兄ちゃんと、呆然と座り込んでいる私の、二人だけが残された。

正直、気まずかった。


『…そろそろこれ外してよ。』

二階堂「…………うん。」


お兄ちゃんは私の手首と足首に巻かれたガムテープと、塩化カリウムが入った点滴が繋がれてる針を取った。

身動き出来なかった分、手首と足首が痛くて、ぐるぐると手首を回すと、関節からごきっと嫌な音が鳴った。


二階堂「本当、ごめん。」

『本当だよ。なに巻き込んでくれてんの。』

二階堂「…………ごめん。」

『…南さんが警察に通報してくれてるはずだから、とりあえず話はこの部屋で待ってる間にして。』


正直、もう早くここから出たかったのだけど、もしも警察の人が来るならここに居た方がいいだろう。

多分その後は署で話を聞かれる事になるだろうけど。


二階堂「…………色々、本当にごめん。」

『…許すかどうかは家帰ってから決める。』

二階堂「…………うん。」

『…私の料理食べてくれたら許してあげる。』

二階堂「……分かったよ。」


兄妹の絆なんて、結局こんなもん。

沙和ちゃんにここまで壊されなくて、本当に良かった。

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そある(プロフ) - こんにちは。突然連絡をしてしまい、すみません!あなたの番ですの再放送をしており、この夢小説の内容が気になって、読んだ結果とても面白い、楽しいと感じました。完結おめでとうございます!作者さんにはとても感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。 (2021年7月10日 16時) (レス) id: c056380204 (このIDを非表示/違反報告)
橋本@かんな(プロフ) - 完結おめでとうございます!全話楽しく読ませていただきました。終わってしまうのが寂しいです…。作者さんには「ありがとう」でいっぱいです。お疲れ様でした! (2019年11月10日 10時) (レス) id: f44fa375d7 (このIDを非表示/違反報告)
ユーナ(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも陰ながら応援していました。とても読みやすく本当に面白くてキュンとして完結したのも少し寂しいです ただ本当にありがとうございました!この小説に出会えて良かったです (2019年11月10日 2時) (レス) id: cd6555e146 (このIDを非表示/違反報告)
がなと(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも楽しみに待っていた小説でした。本当に面白かったです! (2019年11月10日 1時) (レス) id: 9453040fcf (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 135話に誤字がありました。「同性」ではなく、「同棲」です。 (2019年11月9日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花火2016 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年9月5日 17時

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