どーやんの妹。第３章

episode 101 ページ11

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episode100まで行きました。
いつもありがとうございます。

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『ハンバーグには、ナツメグが…ナツメグ？』


神谷さんからのリクエストで夕飯のハンバーグの買い出しをしているけれど、普通に材料を忘れている。

あまり作ってなかったのでナツメグ、なんて単語を久しぶりに聞いたけれど、調味料コーナーにあるだろうか。

一瞬「ナツメグってなんだっけ。」と考えてしまった事は、神谷さんには不安にさせるので黙っておこう。

ナツメグとは、と某検索サイトで調べていると、あまり離したくはない人から電話がかかってきた。


『……はい。』

二階堂「…久しぶり。」

『…何？なんか用？』


正直、久しぶりにお兄ちゃんの声が聞けて、元気そうで少しだけ嬉しかったんだけど、つい突っぱねてしまう。

ここで素直になって「元気だった？」なんて言おうもんなら、お兄ちゃんに負けてしまうような気がして。


二階堂「…明日、犯人を追い詰める。」

『犯人って…あの事件の、犯人わかったの？』

二階堂「……うん。」

『……沙和ちゃん？』

二階堂「…それを明日、明らかにしたいと思ってる。」

『…なんで私に連絡してきたの？』

二階堂「…明日、その現場にAもいてほしい。」


お兄ちゃんの言葉に、食材が入ったカートを押して歩いていた足が止まり、顔が少しだけ強ばったのが分かる。

…私がその場にいて、何になるんだろう。

だけど、沙和ちゃんの容疑を晴らせるかもしれない。


二階堂「…あの時はごめん、酷いこと言って。」

『…許すかどうかは明日決める。』

二階堂「来てくれるの？」

『…場所は後でLINEで連絡して。』

二階堂「……ありがとう。」

『…切っていい？買い物中だから。』

二階堂「うん、じゃあ……また。」

『はい。』


…なに言われても断ろうと思ってたんだけどな。

普通なら、行かないんだけどな。

あの場で許さなかった私も性格が悪いと思うけど、それでも行こうとしてしまった私も甘いのかもしれない。

これはお兄ちゃんの為じゃなくて、沙和ちゃんの容疑を晴らして真犯人を追い詰める為。そうだ、きっとそう。

それでお兄ちゃんと仲直り、できるかな。

そんな事を考えながらレジに並び、何か忘れていると思っていたのだけど、その時は気付けなかった。

ずっと探してたナツメグを買っていない事に気付いたのは、レジが終わって袋に食品を詰めている時だった。

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