episode 53 ページ9
・
絵が好きになって、絵を描くようになった理由。
そこしか取り柄がないから。
その理由については全くもってその通りだと思う。
話すのは恥ずかしかったけど、神谷さんにそれを話すと少しだけ表情が柔らかくなったような感じがした。
神谷「…お兄さんから連絡来ました？」
『いえ、まだ。』
スマホの画面を見ると、もう時間は18:30を迎え、そろそろこの喫茶店も営業を終わらせてしまう頃になった。
お兄ちゃん、一体何をしているのだろう。
『何してんのかな…。』
神谷「…とりあえず、店からでますか。」
『そうですね、そうしましょうか。』
私はそう言って伝票を持っていく。
すると神谷さんがこう言う。
神谷「俺が払いますよ。」
『いえ、ここは私に払わせてください。』
神谷「だけど…」
『神谷さんは車、戻っててください。』
私がいつも通っているこのお店ぐらいは、払わせてもらわないと神谷さんにも申し訳ない。
少しだけ私もカッコつけると、神谷さんは観念したのか「ご馳走様です。」と私に一言残して車に戻った。
そしてレジにコーヒー代とさっき頼んだコーヒーゼリー代をちょうど置き、私は店からでた。
神谷「…ありがとうございます。」
『いいえ。』
神谷「…これからどうしましょうか。」
『どうしましょっか。』
神谷さんの車の助手席に乗り、今後の事を考える。
もう二軒も飲食店をハシゴしてしまったので、お腹も空いていない。なんならもうお腹いっぱいだ。
お兄ちゃんからの連絡もまだないので、帰ります。とも言えない。
神谷「…お腹はもう入らないですよね？」
『流石にもう入らないです。』
神谷「家の近くにバーがあるんですけど…行きます？」
……え？
え！？
バーって、Ｂ、Ａ、Ｒ…でバー？
そんなオシャレな所、今まで生きてきて一度も行った事がないので、結構ビックリしてしまった。
神谷「…どうします？」
『……行った事ないんですけど、大丈夫ですかね？』
神谷「ノンアルコールもあるので、多分平気かと。」
『…神谷さん、お酒飲めませんけど……。』
神谷「俺は別に大丈夫ですよ。」
『………行きます。連れてってください。』
神谷「…緊張してます？」
『…かなり。』
二階堂A、21歳。
生まれて初めてBARとやらに行きます。
なんか、今日は21歳にして初めてする事が多いような気がする。
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花火2016(プロフ) - 明里香さん» 本当によく見てらっしゃる…ありがとうございます。 (2019年9月11日 0時) (
レス) id: cdf4b9c055 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 82話にも同じ誤字がありました。「児島」ではなく、「児嶋」です。複数箇所あります。 (2019年9月11日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 前に戻りますが、58話に誤字がありました。「児島さん」ではなく、「児嶋さん」です。 (2019年9月10日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 88話に誤字がありました。「聡一くん」ではなく、「総一くん」です。 (2019年9月10日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
あめり(プロフ) - 毎日密かに楽しみにしています...！()応援しています！ (2019年9月5日 11時) (レス) id: 99ae7f7f0a (このIDを非表示/違反報告)
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