episode 72 ページ28
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佐伯「いっ、て…。」
殴られるという恐怖で目を瞑っていた私は、意外な言葉が遼ちゃんの口から聞こえて、恐る恐る目を開けた。
そこには、手錠で手を繋がれている遼ちゃんと
神谷「はい、暴行未遂罪で現行犯逮捕ね。」
佐伯「はぁ…？」
喫茶店にいるはずの、神谷さんがいた。
神谷さんは慣れた手つきで、手錠で繋がれてもなお、暴れようとしている遼ちゃんを地面に押さえ付けた。
そして押さえ付けていない方の手でポケットからスマホを出し、誰かに電話をかける。
神谷「もしもし水城さんですか。佐伯遼という男の身柄を確保しているので、今すぐ来てください。場所は…」
神谷さんはこの場所の住所を言い、水城さんにかけた電話を切り、またスマホをポケットに戻した。
そんな神谷さんを見ながら、私はよく分からない状況に困惑していて、ただただ動けないでいた。
昔、遼ちゃんに殴られた肩が痛む。
もうアザは消えているはずなのに。
佐伯「…なんで場所分かったんだよ。」
神谷「…二階堂さんを路地裏に連れ込もうとする時、俺に付けられてるの気付いてなかったんですか？」
佐伯「……馬鹿じゃねぇの。元カノと遊んでやろうと思っただけじゃん、お前もなに本気で怖がってんだよ。」
神谷さんに地面に押さえ付けられている遼ちゃんに睨まれ、私は自分が涙目になっているのを感じる。
気付いたら遼ちゃんを押さえ付けている神谷さんが、更に遼ちゃんを押さえ付けてる力を強くしたのを感じた。
神谷「…俺の女に軽々しく手ぇ出してんじゃねぇよ。」
佐伯「……ベタ惚れじゃん、マジで馬鹿みてぇ。」
神谷さんは、こんな時でも嘘の設定を貫いてくれた。
こんな状況なのに、神谷さんの言葉に少しだけ、ほんの少しだけキュンとしてしまった自分を殴りたい。
遼ちゃんはそんな神谷さんを見上げ、遼ちゃんは普段と全く変わらない笑みで神谷さんを茶化した。
神谷「…二階堂さんも署で情報提供してもらいます。」
『………はい。』
神谷「……無事で良かった。」
神谷さんの言葉に心を打たれ、泣きそうになっているとパトカーの赤いサイレンが光っているのが見えた。
中から水城さんが出てくると、神谷さんは遼ちゃんを半ば無理やりパトカーに連れて行った。
水城「お前、袴田吉彦の現場にいるんじゃ」
神谷「俺は被害者の方を連れていくので、水城さんはこいつの連行お願いします。」
水城「えぇ？」
神谷さんの背中が、いつもより大きく見えた。
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花火2016(プロフ) - 明里香さん» 本当によく見てらっしゃる…ありがとうございます。 (2019年9月11日 0時) (
レス) id: cdf4b9c055 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 82話にも同じ誤字がありました。「児島」ではなく、「児嶋」です。複数箇所あります。 (2019年9月11日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 前に戻りますが、58話に誤字がありました。「児島さん」ではなく、「児嶋さん」です。 (2019年9月10日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 88話に誤字がありました。「聡一くん」ではなく、「総一くん」です。 (2019年9月10日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
あめり(プロフ) - 毎日密かに楽しみにしています...！()応援しています！ (2019年9月5日 11時) (レス) id: 99ae7f7f0a (このIDを非表示/違反報告)
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