episode 47 ページ3
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『お邪魔します。』
私がそう言って204号室に入っていくと、そこには妹尾さん、柿沼さん、シンイーさんがいた。
…なんだか異色のメンバーだった。
西村「あぁ…僕の店の従業員なんだよね。」
『西村さん飲食店の社長さんですもんね。』
西村「そうそう。じゃあ早速なんだけど…。」
そう言って西村さんは、「よいしょ。」と声を出し、テーブルの上に大きめの画用紙を置いた。
西村「これに、校庭の絵を書いてほしいんだ。」
『校庭、ってあの学校の校庭ですか?』
西村「うん、あの学校の校庭。今、彼らに手伝ってもらってる店が、学校をモチーフにしたお店でさ。」
『そこに飾る絵を…。』
私達がそうやって話していると、話を聞いていたらしい妹尾さん達がテーブルの周りに集まってきた。
妹尾「こんな大きい紙に描けんのかよ。」
柿沼「そうだよ、ちょっと無茶なんじゃねぇの?」
西村「うーん…でも二階堂さんなら描けると思って。」
西村さんはそう言って見せたパソコンには、私が過去に大学の芸術祭で描いた作品が載っていた。
…え、ちょっと待って、どうやって調べたらそんな2年前くらいの作品が出てくるんですか。
妹尾「え、うまっ!」
柿沼「龍!龍かっけぇ!」
シンイー「すっげぇなぁ…!」
西村「ね?二階堂さん、凄いでしょ。」
『な、なんか恥ずかしいな。』
こうやって褒められるのが一番嬉しい。
妹尾さんや柿沼さんは良い人だって分かっているけど、あまり話した事ないシンイーさんにまで褒められる。
絵を通じてコミュニケーションが取れたみたいで、なんだかすごくあったかくて嬉しい気持ちになった。
西村「…やってくれる?」
『やります、私で良ければやらせてください。』
西村「良かった…。絵を頼めるのって二階堂さんぐらいしか居ないから、本当に助かったよ。」
『それで、いつまでに描けば?』
西村「一週間後とかって、大丈夫?」
『わかりました、一週間後ですね。』
このくらいの大きさの紙なら、五日もあれば描き終わるので、一応構図などを考えておこう。
西村「それで、料金なんだけど…。」
『え?結構ですよ?』
西村「え、でも…」
妹尾「そうだよ、払ってもらいなよ。」
『…じゃあ、今度から。今度から料金制にしましょ。』
西村「本当に助かる。どうもありがとう。」
変わっている人だらけのマンションだけど、やっぱり引っ越してきて良かった。と改めて感じた。
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花火2016(プロフ) - 明里香さん» 本当によく見てらっしゃる…ありがとうございます。 (2019年9月11日 0時) (レス) id: cdf4b9c055 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 82話にも同じ誤字がありました。「児島」ではなく、「児嶋」です。複数箇所あります。 (2019年9月11日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 前に戻りますが、58話に誤字がありました。「児島さん」ではなく、「児嶋さん」です。 (2019年9月10日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 88話に誤字がありました。「聡一くん」ではなく、「総一くん」です。 (2019年9月10日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
あめり(プロフ) - 毎日密かに楽しみにしています...!()応援しています! (2019年9月5日 11時) (レス) id: 99ae7f7f0a (このIDを非表示/違反報告)
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