episode 38 ページ40
・
『お風呂お借りしました…。』
神谷「温度、大丈夫でした？」
『はい。ありがとうございました。』
電話の内容が気になってしまったけれど、自分が浴びているシャワーの音でかき消して気にしないようにした。
おかげでさっきの寒気が嘘のように暖かいけれど。
神谷さんは見るからに温かそうなものが入ったコップを二つ持ち、その片方をテーブルの上に置いた。
その中にはホットミルクが入っていた。
神谷「牛乳、大丈夫ですか？」
『はい、大丈夫です。』
神谷「熱いんで、冷まして飲んでください。」
『ありがとうございます。』
なんか、ここまでして頂けると申し訳なくなってくる。
温度が高い無地の白いコップを持ち、ミルクをふーっと冷まそうとするけど中々湯気は消えずに残っていた。
神谷「…俺も風呂入ってきます。」
『あ、すいませんでした、先入っちゃって…。』
神谷「いえ。…じゃあ。」
そう言って神谷さんはお風呂場に行った。
シャワーの音が聞こえてきた頃、何を読もうかずっと楽しみにしていた神谷さんの本棚をじーっと見る。
さすが刑事さんと言うべきか、ミステリー小説が多い。
少しばかり恋愛小説もあって、ふふっと笑ってしまう。
神谷さんも読むんだなぁ…とか思って。
少しだけ気になってその本を持ち出す。
それ以外にも色々と本を見ていると
『いてっ。』
体に家具がぶつかった。
いったー…と独り言を言いながら、当たった家具を見ると、そこにはチェストのような物が置いてあった。
そこまで強い衝撃でぶつかっていないはずだけど、上には写真立てと思われる物が倒れていた。
直そうと写真立てを持つと、そこには…
『……ん？』
絶対に今よりも若い神谷さんと、
知らない女性が映っている写真が入っていた。
今の私と同い年くらいだろうか。
笑顔がすごく可愛らしい方だった。
…彼女さん、だろうか。
……だとしたら、私がここにいたらまずいのでは？
なんだかここにいたら申し訳ないような気がした私は、本を戻し、持ってきた荷物から来ていた服を取り出す。
その途中、お風呂上がりで普段からは考えられないほど髪が乱れている神谷さんがドアを開けて私の方を見た。
神谷「…どうしました？」
『…彼女さんいるのに、家に入れちゃ駄目ですよ。』
私は雨でまだ濡れている服を持って脱衣場に入った。
少しだけ胸の奥がギュッてなったのは、絶対に気のせいだと思う。
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はる - 花火2016さんこんばんは。いつも楽しく読ませていただいています。とても好きなお話なので花火2016さんのペースで更新してくださいね。いつも素敵な文ありがとうございます！ (2019年8月18日 1時) (
レス) id: 31d2b33c66 (このIDを非表示/違反報告)
花火2016(プロフ) - 明里香さん» あらっ！？笑 なんか誤字したら幼稚園かのような可愛さが…笑 ありがとうございます！ (2019年8月15日 0時) (レス) id: cdf4b9c055 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 36話に誤字がありました。「お描かき」ではなく、「お描き」です。 (2019年8月15日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
かほのの(プロフ) - 浅香航大くん大好きだし、ストーリーもすごく好きで丁寧に進むのでいつも楽しませてもらってます！お星様赤くなったんですね！おめでとうございます！！ (2019年8月14日 18時) (レス) id: 3849697800 (このIDを非表示/違反報告)
未定。(プロフ) - もう神谷さんめっちゃくちゃ好きだったのでほんと有難いです。無理せず頑張って下さると嬉しいです( ＾ω＾) (2019年8月13日 5時) (レス) id: 43a7b14b9e (このIDを非表示/違反報告)
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