episode 12 ページ14
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『あ、神谷さん。こんにちは。』
神谷「…こんにちは。」
ある昼過ぎの事だった。
神谷さんが部屋に来た。
『どうされました？』
神谷「…ハンカチをお返しに来ました。」
そう言って神谷さんは、私があの時、神谷さんに貸したピンク色のハンカチを私に手渡した。
多分、アイロンも掛けてくれたのだろう。
貸した時よりも綺麗になっている。
『なんか、貸した時より綺麗になってる気が…。』
神谷「そうですかね。」
『ありがとうございます。こんなに綺麗にしてハンカチを返しに来て下さる方、初めてです。』
神谷「…それと、」
私が首を傾げていると、神谷さんは手に持っていた紙袋から白い小さな袋を取り出し、私に渡した。
神谷「…チョコレートの色が落ちなくって。」
『え？どこだ…あ、ここか。』
ハンカチをぐるぐると回して確認するけど、本当に小さな汚れで、私も別に気にしない方だった。
それで、私に手渡したこれはなんだろう。
『開けてもいいですか？』
神谷「はい。」
その中には…
『ハンカチ…？』
神谷「…お詫びです。」
『別に良かったのに…気を使わせてごめんなさい。』
神谷「いえ。こちらが勝手にした事ですので。」
『なにか渡せる物……あ、ちょっと待っててください。』
私は急いで部屋の中に戻り、先日買った二枚のハンカチの中の無地の黒いハンカチを出し、タグを切った。
暑い中、玄関の外で神谷さんを待たせてしまっているので、急いで玄関に戻ってドアを開けた。
中に入れてあげれば良かった。
『これどうぞ。』
神谷「え？」
『これ先日買ったハンカチで、汚れてないので。』
神谷「でも…」
神谷さんは、やっぱり律儀というか…。
だけどこちらとしても、ただハンカチを貰うのも、なんだか申し訳ないので、最後の手段をとることにした。
『あ、じゃあ交換しませんか？』
神谷「交換？」
『神谷さんが持ってきてくださったハンカチと、私が持ってきたハンカチ。トレードしませんか？』
神谷さんは手を口元に持ってきて私の言葉に少し考え、「…交換、しましょうか。」と言ってくれた。
良かった。
神谷さんが買ってくれた綺麗な青いハンカチと、私が買った黒のハンカチをお互いに手渡す。
『…黒色で目立たないので、チョコレート拭く時、あんまり気にしなくてもいいですね。』
私が笑って言うと、神谷さんは少しだけムッとした。
…神谷さんって、そんな表情もするのか。と少しだけ驚いた。
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はる - 花火2016さんこんばんは。いつも楽しく読ませていただいています。とても好きなお話なので花火2016さんのペースで更新してくださいね。いつも素敵な文ありがとうございます！ (2019年8月18日 1時) (
レス) id: 31d2b33c66 (このIDを非表示/違反報告)
花火2016(プロフ) - 明里香さん» あらっ！？笑 なんか誤字したら幼稚園かのような可愛さが…笑 ありがとうございます！ (2019年8月15日 0時) (レス) id: cdf4b9c055 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 36話に誤字がありました。「お描かき」ではなく、「お描き」です。 (2019年8月15日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
かほのの(プロフ) - 浅香航大くん大好きだし、ストーリーもすごく好きで丁寧に進むのでいつも楽しませてもらってます！お星様赤くなったんですね！おめでとうございます！！ (2019年8月14日 18時) (レス) id: 3849697800 (このIDを非表示/違反報告)
未定。(プロフ) - もう神谷さんめっちゃくちゃ好きだったのでほんと有難いです。無理せず頑張って下さると嬉しいです( ＾ω＾) (2019年8月13日 5時) (レス) id: 43a7b14b9e (このIDを非表示/違反報告)
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