イキキル ページ34
・
『私、君の事好きだよ。』
彼女にそんな事を言われた。
そんな彼女を冷ややかな目で見る。
磯村「...急に頭おかしくなった？」
『嘘だと思う？』
磯村「うん。」
『私の目見てよ、嘘付いてるように見える？』
磯村「もし仮に僕が君の目を見てたとしても、君には分からないだろ、見えないんだから。」
『あはは、確かに。』
分からない。
君の笑いのツボが1番わからない。
そこは普通怒る所だろ。
『だって、君は他の人となんか違う。可哀想って思わないでしょ、目の見えない私の事。』
磯村「まぁ。」
『君のその人間の心がなくて冷たい返ししか出来ない所、面白くって大好き。』
磯村「それは嫌味？」
『うん。めっちゃ嫌味。』
磯村「確かにそうかもしれないけど、視覚がない君だけにはそんな事言われたくないな。」
『ほら、そういう所。本当に面白い。』
彼女はそう言って愉快に笑う。
嘘を付いてるようには見えない。
そもそもなんで笑っているんだ。
僕には全く分からない。
『あとね、私には分かるの。』
磯村「何が？」
『君には、辛い過去がある。』
思わず彼女の方を見た。
なんで分かるんだ。
なんでそんな事、分かるんだよ。
『ひとつ教えてあげる。私は視覚がないけど、それ以外の色んな感覚は人よりも鋭いの。』
磯村「...ますます君の事分からないよ。」
『さぁさぁ、何があったのか、目が見えない広瀬茜ちゃんに答えてみなさい、さぁさぁ。』
彼女はニコッと笑っていた。
見えないのに、僕の方を見て。
無意識に彼女から目を逸らす。
磯村「...話せる訳ないだろ。」
『まぁ、君の為に何が出来るって訳でもないけどさ。少なくとも私は君が大好きだから。』
磯村「......。」
『知りたいんだー、君の事。長谷晶くんの事。私も君の事、まだ全然分かってないからさ。』
何故だろう
彼女には
話して良いのかと思ってしまった。
磯村「...君ってつくづく不思議だよね。」
『それって褒めてるの？』
磯村「...どちらかと言えば貶してる。」
今日気付いた事、それは
君には話すべきなのかもしれない。
話したら、楽になるかもしれない。
...それだけだった。
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蓮(プロフ) - いつもキュンキュンしながら読んでます！リクエストなのですが、割とガチめの喧嘩からの仲直りが読みたいです！よろしくお願いします！ (2019年4月29日 2時) (
レス) id: 85b6d467b1 (このIDを非表示/違反報告)
はるな(プロフ) - 鳴滝ちゃんめっちゃ好きだから嬉しいです！！楽しみです！ (2019年4月6日 13時) (レス) id: 558b444f71 (このIDを非表示/違反報告)
Reika(プロフ) - リクエストに答えていただき、ありがとうございました！ (2019年3月31日 11時) (レス) id: 616ea4ec17 (このIDを非表示/違反報告)
Reika(プロフ) - いつも楽しみに読んでいます。リクエストなのですがよろしいでしょうか？主人公が朝ドラのヒロインに抜擢されたという話を読みたいです。検討よろしくお願いします！ (2019年3月30日 22時) (レス) id: 616ea4ec17 (このIDを非表示/違反報告)
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